03/01/12 A Story about 8 people -margin call- | **コティの在庫部屋**

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映画+音楽+本+雑貨+ご飯+お酒+「おべんきう」=私。

昨日ここに書きました、「マージン・コール」のキャストを使った勝手過ぎるラブコメストーリー、アップ致します。

前編・後編に分かれております。

まずは前編よりお楽しみ下さい。




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***That Day***




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サラ・ロバートソンは44歳。大手出版社の女性雑誌の編集長を務めるようになって4年が経つ。
サラの雑誌「パッション・オブ・マインド」は、30代から40代の働く女性をターゲットにした月刊誌で、
内容はファッションやコスメに限らず、経済コラムや社会問題記事など多岐に渡る。
中でもひと際人気なのが、毎月各ジャンルのエキスパートにサラ自身がインタビューするコーナーで、
ゲストにはスポーツ選手や人気俳優から、研究者や作家、実業家など様々な人物が登場していた。


そして翌月のゲストとして招かれたのが大人気の心理学者、メンタリストの名を持つジャレッド・コーエン教授だった。



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その甘いマスクと人当たりのよさで、学会や講演会に限らず、マスコミにも引っ張りだこのジャレッドは、
43歳にしていまだ独身・女っ気もなしという、華やかな経歴とはかけ離れたプライベートで有名だった。
何とかしてその化けの皮を…いやいや、その本来の姿を垣間見る事が出来れば、インタビュー記事は成功だ、
とサラは張り切っていた。


が。
大都会を見下ろすビルの一室に現れたジャレッドは、化けの皮を剥がすには余りにも完璧過ぎる笑顔だった。
毎日これだけの仕事量をこなしていながら、こんな顔をされたのでは。全ての女達が陥落する程の無邪気な笑顔。
サラは始まって1時間で自分の目論見が泡と消えるのを確認した。そして彼に惹かれて行くのも同時に。


元々が肉食系女子の代表格級のサラである。獲物が決まればその手綱を決して緩めはしない。
インタビューの続きは、場所を変えて…という誘いにまんまとハマるジャレッド。本当に女の経験が浅いらしい。
サラは瀟洒なマンションの一角である自室に入って1時間で、その日の獲物を獲得するに至った。


翌朝。
案外簡単だった、と、寝息を立てるジャレッドの横でサラは思う。
そして、このベッドで他人が寝るのは一体いつ振りになるんだろう、と、考えてはいけない事をふと考えてしまう。


サラには若い頃1度結婚の経験があった。だが結婚生活は1年ともたなかった。
暫くは定まらない相手との逢瀬を繰り返していたが、その後、ひょんなことから年下の恋人を持った。



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年は随分離れていたが、何年も付き合ったので、周りからもすっかり公認の中になっていた。
だからこそその関係に甘えもあった。彼は私の元からは離れて行かないと。信頼もしていたし、驕りもあった気がする。
売り出し中の俳優であった彼は、だがしかし、ある日忽然とサラのもとを去った。一言の挨拶もなく。

あの日彼の影をその中に見る全てのものが部屋から消えていた事に気付いたのは仕事から帰って暫くしてからだった。
その事にまずサラは愕然とした。
あんなに愛していたのに。あんなに。なのに、彼がいない事に、愛が冷えていた事に、こんなにも鈍くなっていたなんて。
サラは泣いた。泣くだけ泣いた。しかし翌日には出勤した。それが大人としてのルールだ。

あれからもう1年。そして隣には暖かい肌がある。サラは一つ年下の、少し汗ばんだジャレッドの背中に顔を押し付けた。









***One Month Later***


**16:30 pm**


大都会からほんの少し離れた、大きな一軒家から、いい匂いが漂っている。
ここは料理研究家・フードコーディネイター・レストラン経営者など様々な肩書を持つ、通称「食のマジシャン」、
エリック・デールの家である。



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エリックは殆どの仕事を自宅でするのが好きである。落ち着くし、アイデアが浮かぶし、独り身なので煩わしさがない。
寂しくないかと問われれば、強がりを言うつもりもないが、今の生活が気に入っている事も確かだ。
大体、多忙な一人暮らしとはいえ、エリックの家には人の行き気が絶えない。


「それで? 今夜来るって言うのか」



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エリックの新刊の料理本を片手にソファから気だるそうに質問するのは、友人の脚本家、サム・ロジャースである。
最近やたら薄くなった頭をちらちらと鏡や窓に映している仕草がキッチンカウンター越しにエリックの目に留まる。
「なあ、おい、そんなに気になるんだったらいっそ俺みたいにしちゃえよ。気分いいから」
「嫌だね。大体俺には似合わないよ、スキンヘッドなんて」
「今だってほぼスキンだろ」
「ほっとけ」
エリックは本当は知っている。スキンヘッドはサムの恋人の好みではないのだ。だから彼は必死なのだ。


サムの恋人である「彼」とは、国内最大手のブックマートのチェーン店を営むジョン・トゥルドの事だ。



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名前だけは社長だが、今は息子に経営の殆どを任せ、自身は趣味でチェーン店傘下で古書店を経営している。
この古書店が実は巷では人気で、ジョンが店に来るとなると男も、女も、客が引っ切り無しにやって来る。
それは、本の品ぞろえの良さもさることながら、何より、ジョンに釣られてやって来るのだともっぱらの評判だ。


ジョンもエリックも結婚の経験があり、今言ったようにジョンには息子がいる。
離婚する時、本当は男が好きなのね、と妻に問い質されたジョンは事も無げに言った。
「長年連れ添ってきて、まだ解らないかい? 僕は男とか女とかじゃないんだ。僕は人間が好きなだけなんだよ」
息子は、まるでキンゼイ教授だと父に感服し、その後店を引き継ぐ事も厭わなかった。今の父の生活も容認している。

エリックには子供はいない。今は恋人もいない。
結婚してすぐにエリックは自身の本当の姿に気付いた。それを妻に言おうか言うまいかしているうちに先に妻が言った。
「私達、多分お互いよりも、仕事の方が大事なんじゃないかしら」
それは真実だった。
エリックは料理研究家としての腕を様々な方面から認められてきたところで、妻も社内で引き抜きにあったばかりだった。
だが、エリックは黙っている訳には行かないと思った。
「あのさ、気付いていると思うけど、俺…」
「うん、解ってる」
妻は黙ってエリックの肩に手を置いた。

その日から離婚して今日に至るまで、エリックと元妻は互いによき理解者である。


その元の妻が今日、エリックの家にやって来るという。


「何か大事な話なんじゃないのか?」
大きなオーブンに何やら突っ込んで、エリックがサムを見た。
「さあねえ。ところで今日、来るんだろ? ジョンも」
「うん? あ、ああ…」
サムの返事が冴えない。これはまたジョンのいつものビョウキが出ているのかも、とエリックは考える。


ジョンはモテる。とにかくモテる。老若男女、まんべんなくモテる。そして彼が言うように、彼は「人間」が好きなのだ。
だから勿論、相手と自分にその気があれば、キンゼイ教授の如く全ての経験に挑んでしまう。
そして挑まれる相手は、サムが最も恐れる、「若い俳優」や「世間知らずなエグゼクティブ」が最も多いのである。
若さはそれだけで何よりの魅力である。それは、若俳優相手の仕事も引き受けるサムが一番良く解っている。
なのにジョンときたら、そんなサムの気持ちは一向にお構いなしに、潤んだ若さと共に時間を過ごしたりするのである。
これでは恋人は堪らない。
しかしサムはジョンを責めたりはしない。付き合ってもうどれくらい経つのか解らないが、サムは今でもジョンを愛している。
口には一切出さないけれど。それをエリックは知っている。


「なあ、そのサラダ、旨そうなんだけど」
「食べてみるかい」
エビをつまむサムに料理の残りのシャンパンを注いで渡すエリック。
「うん、最高」
用心しろよ。食べ過ぎると大変だぞ」
どんな時でも上手い料理は人を喜ばせる力を持つ。エリックは確信している。








**19:00 pm**


軽いビールでエリックお手製のチップスなど摘まんでいると、突然インターフォンがけたたましく鳴った。
「え、もう来たのかな、彼女」
「いや、まだ早い筈だ。ジョンは?」
「ジョンも遅いって言ってたけど」
訝しがりながらモニターをつけようとしたその時。
「おい!エリック!早く開けてくれよ!頼むよ!」
エリックとサムが顔を見合わせる。お前呼んだのか?いや俺じゃない、と無言のうちに会話している。
「頼むよ!じゃないと俺刺されちまうよ!

「解った解った。解ったから外で怒鳴るのは止めてくれって」
エリックがドアを開ける。そのドアをくぐる様にして入って来たのは元テニスプレイヤーウィル・エマーソンだった。



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「いっそのこと刺されちまえば良かったのに」
リビングに入って来るウィルを見るなりサムが言う。
「全く、相変わらずだな」
憎まれ口を叩かれても、さらりと交わす長身のウィルが、サムの左手からビールグラスを取り上げて一気に飲み干す。
その喉仏の動く様が惚れ惚れする程美しいと思う自分が、益々厭わしく思えるサム。
全く何だってこんなデリカシーのない男に美が宿るんだか。


ウィルはいわゆるスポーツ界のセレブリティで、現役を引退した今でもその風貌からパーティには必ず呼ばれている。


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半生を綴った本の出版からスーツやサングラスのモデルまで、何でもこなせるオールマイティな才能と、
一見無表情な小さな顔に嵌った吸い込まれそうな碧い目が屈託なく笑う姿を一度でも見てしまったが最後、
彼の虜にならない人はいないと言われる程の魅力を湛えている。
さぞかし多くの女を泣かせているとか何とかゴシップ記事は書き連ねているが、実はウィルもジョンと同じく「バイ」だ。
そしてこれもジョンと同じく、名うてのプレイボーイである。
が、一つジョンと違うところがあり、ウィルは別れは上手ではない、つまり必ず相手が派手に泣く。特に相手が男の場合。


「で、今度は誰。まさか初めての子じゃなかっただろうねえ」
エリックはからかい半分に言いながら、サムに新しいビールグラスを渡す。
「そんなこと知るかよ。こないだ会ったパーティでやたらくっついて来るから、面白半分に家に誘ってみたのさ」
「いきなり?!その日に?」
「ああ。いいカバン持ってるな、ってからかったら喜んでさ」
だからどうしたと言わんばかりのウィル。少し傲慢くらいな方がこの男には似合うから不思議だ。
「そうしたらさ、目を輝かせて俺を脱がせにかかるのよ
「まじ!」
「そういう時、若い子は『ガチで?!!』って言うんだとさ。こないだ舞台の端役の若造に言われたよ」
「マジでもガチでもいいけど、なあ、その場合、そこで『君には将来がある。やめておけ』って言えると思うか?」
エリックもサムも黙って首を横に振る。
「だろ?だから」
「食っちゃった訳だ」
「下品な言い方止めようぜ、サム」
「いいさ、どうせ俺だって下品な食い方したんだし」
「ってお前どういう…」
「それはまたいずれ。で、俺としてはまあ、相手若いし、ワンナイトスタンドのつもりでいたところへ、電話とメールの嵐よ」
「うわあ、その子ホントに若いな。いくつ?」
「…23、とか言ってたかな」
「お前それ犯罪だろ」
「で、どうした」
「仕方ないからもう一度会ったんだよ。そうしたらもう…」


ウィルの話だと、23歳のうら若き青年はウィルに心底惚れこんでしまい、恋人として認めてくれと必死だったという。


「そんなに好きなら、いっそ恋人にしてあげればいいじゃないか」
「エリック、そう簡単にはいかないんだよ。俺にだってこう見えて気持ちはあるしさ」
「へえ、そうなんだ。初めて知った」
「ああ、お前には見せた事ないからな、サム」
ウィルはそう言ってビールを啜った。
ウィルはまだ誰にも言えないでいた。自分には恋人がいたという事、そしてその最愛の恋人と別れたばかりだという事を。


サムの携帯が振動した。ジョンからだった。
「間もなく着くそうだよ」
しかし待てど暮らせどジョンは到着しない。30分程経ったところで痺れを切らしてサムが電話をすると、
「ああ、今、たった今エリック・デール邸の玄関に着いたところさ」
そこで3人で玄関にジョンを迎えに行くと、ジョンはセンスのいい花束をエリックに渡しながら言った。
「なあ、偶然なんだが、ちょっとそこで、拾い物をしてね。一緒にいいかい?」
エリックとサムに嫌な予感が走る。ジョン、一体どこでまた若いツバメを引っかけて来たのか…。とその時。
若いツバメがジョンの腕を離れて一目散に突進してきたかと思うと、奥にいたウィルの首元にがしっと抱きついた。
「ウィルーーーーーーーっ!!!」
「え…?」
3人、そしてウィル自身目を丸くしてツバメを見遣る。ツバメは目をこれでもかという程に潤ませてウィルを見つめる。


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「なあ、ジョン、これ、どこで拾ったの…」
「あ、いやその、エリックの家の前にいたから、声をかけたんだよ。そうしたら知り合いだって言うからてっきり…」
ジョンの困ったような笑顔。


エリック、サム、ジョンに囲まれて、ウィルの腕にしがみついて嬉しそうに微笑む青年はセス・ブレッグマンと名乗った。
「ブレッグマンって、あのブレッグマン?」
セスは無邪気に「はい」と頷いた。
ブレッグマンと言えば知らない人はない、所得番付にも常連の大企業一家だ。そこの御曹司だと彼は言う。
「セレブにはセレブがくっつくのかねえ」
ジョンはウイスキーで喉をうるおしながら呟いた。
「俺なんかセレブでも何でもないよ。ただのスポーツバカだし、今じゃただのパーティ野郎さ」
「そんな事ないよ!」
セスはウィルの腕を殊更引っ張る。
「ウィルは僕に本当のスポーツの楽しさを教えてくれたじゃないか。ウィンブルドンの話も教えてくれたし…」



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他の楽しさも教えちゃったんだろ
「サム!」
「いいじゃないか。この坊やだってもう大人さ。そうだろ?」
セスは満更でもなさそうな顔でサムに頷いたが、その顔はどう見たってまだティーンエイジャーのままだとサムは思う。
「まあ、今夜はパーティだろう、エリック。だったら沢山人がいた方が楽しいに決まってる」
とりなすようにジョンは言って、セスの肩にさり気なく手をかける。その様子をちらっと見ているサム。
「ところでウィル」
「うん?」
「この坊やは、もう、君が食っちゃったのかい
「…」


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**21:20 pm**


「あれは、何かい、新手のプレイか何かなのかい」
「知らないよ、ジョン」
キッチンにはエリックが立ち、その横でジョンがウイスキーを舐め、ロッキングチェアでサムが本を読み、
その向こうのソファでセスがウィルの横にへばり付いて離れない状態で暫くが過ぎた頃、チャイムが鳴った。

「今度こそ、主役の登場かな」
エリックがエプロンを外しながら玄関で出迎える。そこには彼の元の妻、サラ・ロバートソンが立っていた。


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「久し振りね」
「ああ、元気そうで何よりだ」
二人は自然にハグし合う。元夫婦というよりは、大親友のような、そんな慈しみのハグに見える。
「ところで、今日の主役、もう一人は?」
「あ、ああごめんなさいね」
サラは少し恥ずかしそうにドアの向こうの人影を呼んだ。
「こちら、ジャレッド・コーエン。知ってると思うけど…」
「あの、メンタリストのジャレッド? これは驚いたな。お会いできて光栄です」


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「そんな。こちらこそ光栄です。エリック・デールって言えば街で見ない日はない程有名な名前ですよ」
「いやあ、ただの料理人です」
エリックはそう返事をしながらサラを見る。幸せそうな笑顔。本当に幸せそうな。


サラは別れてからずっと、自分が長くつきあいたいと思う相手をこうして「親友である」エリックに必ず紹介している。
それは、エリックがサラにとって一番信用の行く人物であるからという事も勿論だが、
エリックのような、男性を愛する男性の眼に狂いがない事を解っていたからである。
数年前、年下の俳優と付き合っていた頃、サラは今日と同じようにエリックに彼を紹介した。
エリックは彼がいる間中ずっと上機嫌で、最高の料理をふるまってくれたが、2人きりになった時ぽつりと、
彼は、本当に、君が求めている人なのかな
と言った。当然サラはそうだと言ったが、後になって気付いた。あれは「彼」と「君」という単語が逆だったのだなと。



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そして今日、サラは再びエリックに、新しい恋人を紹介しに来た。今度はうまく行くといいと、二人とも思っている。

リビングに入るとまずジョンが、そしてサムが挨拶をする。
ジョンは気は強いが美しいサラが好きだ。サムは美しいが気が強いサラが嫌いではない。
しかしウィルは違った。ウィルは、美しくて気が強いサラが少し苦手だった。だから挨拶が少し遅れた。
セスの腕から漸く逃れ、サラをハグした、その時だった。


「ジャレッド」


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サラの後ろにいた、眼鏡をかけた男が固まったままウィルを見つめていた。その視線にウィルが気付いたのである。


「ウィル」



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二人の視線の絡み具合にただならぬ空気を読んだサムが一歩後ろに下がる。サムはこういう時誰よりも素早い。
が、その辺りが鈍いサラとセスが不思議そうな顔で聞く。
「え?何、二人とも、知り合いなの?」


知り合いなんかであるもんか、とウィルは思う。

この間まで、彼は、彼は。




おい!セス!出て来い!そこにいるのは解ってるんだぞ!」




ウィルの、声にならない叫びを突き破るような罵声が外からしたのは時計が10時を回った頃だった。
皆が一斉にセスを見る。ぎくりと怯えるように、ウィルの腕に再びしがみつくセス。


「セス!セース!俺だ!セス・ブレッグマン!隠れるな!出て来い!」


溜め息をつきエリックが再び玄関に行く。セキュリティ、セコムにしないとダメだな。その後をジョンがついて行く。
「今、明日速攻セコムにしようって思ったろう」
「うるさいな」
「ちなみに僕らの家はアルソック
「聞いてないから」
玄関を開けると、勢い込んだ若者が突っ立っている。が、こちらの様子を見てすぐさま態度を変えた。



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「あの、夜分大声出したりして、本当に申し訳ありません。急用なんですが、セス・ブレッグマンはいますか」
「…いることはいるけど、君は」
若者は姿勢を正し、真っ直ぐ二人の目を見た。
「僕は、ピーター・サリヴァン。セスは僕の妹の彼氏でした」
「妹の、彼氏…」
エリックとジョンは顔を見合わせる。



<後編へ続く>