04/09 /11 DVD: lady chatterley | **コティの在庫部屋**

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「レディ・チャタレー ヘア無修正完全版」

Lady Chatterley


いやあ、見たよ見たよ168分!久し振りにがっつり見させて貰ったよ!

でもね、この私が、一度も早送りしないで見ましたよ168分。そういう作品だと思っていいです。


日本版タイトル=売り文句がやや扇動的なので先に言っておきますが、無修正場面は全部で4つw

最後の場面が最も長いのだけど、ここを修正しちゃったら本文から外れる事になるので無修正しかないなと。

え?ええ、勿論読んでますとも。D.H.ロレンス作伊藤整訳『完訳 チャタレイ夫人の恋人』新潮文庫版。

学生時代が過ぎてから読んだんですけど、本棚にこれを置いといたら母に驚愕されましたわwww


この小説は、対極にあるものの比較から成り立っていると思って読むと非常に解り易い。

町・工場・炭坑、そしてチャタレイ旦那に代表される、産業革命以後の灰色の世界と、

森・動物・緑に象徴される、プリミティブな世界。

チャタレイ夫人が求めたのはこの、人間として当然求めて然るべき原始的な欲求の部分であり、

それを求める事で彼女の人生=生命は癒されて行く事になる。

ただし、チャタレイ旦那の台詞にもあるように、チャタレイ夫人自身も無自覚ながら支配層の一員であり、

その事を旦那だけでなく、彼女が愛した森番メラーズ、じゃなくてここではパーキンから教わる事になる。

その、支配層と被支配層、上層階級と下層階級、更に言えば男と女、

全て二極化した世界観が、小説の中に大変美しく配置されていると考えても良いだろう。

それでいながらその二極化は絶対的なものではなく、

支配の側だと思っていたチャタレイ夫人が実はある意味パーキン=彼の存在に支配されている程に

愛していたとも言える訳だし、また、パーキン自身の最後の台詞にもあるように、

癒されていたのはチャタレイ夫人がだけでなく、森番自身も彼女のくれた純粋で大きな愛情に癒されていたと。

とにかくね、もうね、この辺がね、小説としての巧さを余すところなく映画が伝えていると私は思ったね。


マリナ・ハンズ演じるチャタレイ夫人がイメージとドンピシャリ。

実はこの映画、先日見た「隠された日記 母たち、娘たち 」がきっかけで興味持って借りたのだけど、

日記で、きゃとゅりひーぬ様の娘を演じていたのがこの女優さん。

大きな瞳、無邪気な表情の裏に芽生えた女としての喜びをこれでもかという程リアルに演じていた。

だから、邪な気持ちで借りる男性には満足行かないかもしれませんよ、リアルなだけにwwwww

チャタレイ旦那は私の中ではもっともっと嫌な男だと思っていたかったんだけど、

映画の旦那にはそこはかとない悲しみもあって、それはそれでよかったんじゃないかと。

たださー、旦那がいいとチャタレイ夫人に感情移入しにくくなるのでw、その辺の塩梅は難しいよね。

でね、森番なんだけど、もうね、見始まって出てきた時は「はあ?」って感じだったのよwww

もっとこう、プリミティブで野蛮なラテン系(何でラテンなんだよ)の痩せ形男子を想像していただけに、

このギャップはどうなの?って感じで動揺した。

どういう感じかというと、ものすっごーくあり得ない程上品にしたジャック・ブラックみたいな感じ(暴言)。

だけどね、巧いんだなこれが。見て行くうちにね、ああ、森番はこの人しかいないなと思えてくる訳よw

なんていうのかな、彼がチャタレイ夫人にかけてくれる愛情の細やかさがね、もう涙ものなのよ。

あの無骨な中年体系だからこそ逆に説得力があるのよ!とwww

この辺は多分、アラサー過ぎの女子じゃないと味が解んないかもしれないね。


3度目の逢瀬の場面なんて、余りの美しさに涙が出そうだった。

そう、この映画、第2の主人公は森の美しさ。これも想像通り、というかむしろ想像を超えてた。

ヨーロッパにはああいう森がまだあるんだねえ。

シェイクスピアの時代からずっと、森は日常を越えた場所。

この小説では豊穣のシンボルでもあるだろうな。

その、例の無修正場面の最後の長いトコ、あそこにお花を置くのもきっとそういう意味なんだろうね。

読んだ時はちょっとピンとこなかったけど、この映画ではすんなり受け入れられた場面。


唯一、惜しむらくは言語。

「チャタレイ夫人の恋人」がフランス語ってのはないだろうよ。

時代背景も国名もそのまま出てくるんだもの、ここはやっぱしクイーンズ・イングリッシュでなきゃねえ。


森番が言う。「君が、俺の家だ」

これ程純粋に、一途に愛し合った恋人同士だからこそ、重く優しく響く台詞。



↓解り易くて実に素晴らしい訳です。

チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)/D.H. ロレンス
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