「息もできない」
Breathless
正直、主人公の彼の顔ってどう見ても優しくてつるんとしてるもんだから、なんか合わない気がしたのよね。
その優しさが出るところは勿論あるんだけど、これはもっとイカツい顔の人がやってこその優しさじゃないかと。
どちらかと言えば、私にとっては彼女だな、この映画。
彼女の生活、思い、家族。彼女の持ってるものの方がずっとずっと、気持ちにずしんと来る。
あと、彼の身内の彼女と子供が凄くじんわり来る。この2人のあり方に泣ける。
長回しのカットやキャラの絡み方に、どうしても意図的なもの=映画的な作り、を感じてしまって、
そこがなかったら=その辺がもっとずっとドライだったら、もっと泣けたと思う。
(アジアの映画ってどうしてもその辺がウェットなんだよね。ヨーロッパだとトコトンドライにするところがさ)
今の私はヒリヒリしないと泣けないんだよなあ、「フローズン・リバー」くらい。
まあ、泣けなくてもいいんだとは思うけど、ほら、この映画の売り文句が「泣き」じゃない?
でもそうやって無理に売らなくても、この映画十分にいいと思うけどね。
出会ってはいけない人だったのかもしれない。
落とし前にしては余りにも愛おしく、残した代償は余りにも惨い。
立ち尽くした白いコートの袖に滲むそのやり切れなさ。

