「ジャズ・シーン カメラが覗いたジャズ」
Jazz Seen
この人に撮られたToroを見た時、この♂はこれ程までにカッコいいのかと
再認識させられ、更に大惚れするきっかけとなった写真家W.クラクストン。
彼を描いたドキュメント映画を、先日やっとBSがOAした。
DVDが高かったので買えなかったのよ~。ありがとうNHK。
ウィリアム・クラクストンは西海岸系のジャズ・ミュージシャンの写真を
多く手掛けた事で知られているが、それだけではない彼の魅力を
映画は再現ドラマを交えながら静かに、スタイリッシュに語る。
幼い頃病気がちで、ベッドで過ごす事の多かった彼の趣味は、
雑誌に載ったジャズ・ミュージシャン達の写真のスクラップブック作成。
40年代、ビッグバンドの音楽が彼を魅了する。
夢は、クラブのオーナーになって、彼らを自分のクラブで演奏させる事。
おませな男の子だ。
病気の事を語る医師の姿や言葉には興味がなかったと彼は言う。
ただ、それを聞いた母親が泣いている姿がショックだったと。
やがて医師の診断が誤りで、彼はこの世に生き長らえる事になるが
その頃の出来事が、いまだに大きく影響していると語る。
生への執着。楽しんで生きる、自分が楽しむだけでなく、人を楽しませる。
それこそが彼の目指すところだと。
今、思い悩んでる若い学生のみなさんに、聞いて貰いたいと思った。
大学生の頃からミュージシャン達をばしばし撮り始める。
光と影の按配が絶妙で、映画みたいにすぐに動き出しそうな写真だ。
ウェストコーストの写真についての講演場面が可笑しかった。
海岸沿いをトランペットを持ちながら歩いていて、シュノーケルを付けて
上がってきた見ず知らずの人を見つけたクラクストン。
「すいませーん、あの、このトランペット持ってそこに立って貰えませんか??
そう、その海の中、あ、片足をあげて下さい。そうそう、いいですよー☆」
そうやって出来上がった、オムニバスアルバムのジャケットとか、
(スイマセン、お見せしたかったのですが、画像がなかった…(>_<))
ソニー・ロリンズが西海岸に来て1枚アルバムを作った際、
クラクストンにジャケ写を頼んだらしい。
「西部劇でも何でもいいから、西っぽいの、ひとつ頼むよ☆」
と言われたクラクストンが撮った写真が上のジャケ(写真中)。
これ自体は写真界で賞を取る程評判が良かったそうだが、東に帰った
ロリンズは、仲間達から「ありゃ何だよ?!」と大ブーイングを受けたそうだ。
まあ、視点を変えれば確かにねえ…^^;
それ以来ロリンズはクラクストンに冷たかったとか(笑)。ジョークだろうけど。
音楽監修のティル・ブレナーのBGMが最高にクールでハマってる。
俳優のデニス・ホッパーも出てクラクストンについて語る。
若い頃、ヒッチハイクをしていて拾ってくれたのが何とクラクストンだった。
「あ、キミ知ってるよ、俳優だろう?よかったら写真撮らせてくれる?」
それが縁だったという。不思議なもんだね~!!
そういう写真家だから、Toroも自然にココロを開けたんだろうなと思う。
どんな対象-セレブも、ミュージシャンも、市井の人も、ホームレスに対しても
クラクストンはどこかに必ず美しいところを見つけるんだ、とアシスタントが言う。
クラクストンが撮ってくれたToroの煙草を吸う姿は、これまで見た中で
どれにも勝るほど美しい。
「本当は、カメラが邪魔なんだ。瞬きで被写体の姿を残せたら、
もっとじかに接する事が出来るのにと思うよ」
最後の台詞がいい。

