ここから桜島を眺めたのは
何年ぶりだろう。




卒業して14年たって
すっかりキレイになった母校。

みんなで走り回ったり
笑い転げた廊下。

励まし合ったり
いつまでも語り合った校舎裏も
変わらない。

カトリックの学校だったから
お御堂でシスターがいつもお祈りしていた。

心配性の私は、
〇〇ちゃんが学校に来れますようにって、端でこっそり手を合わせてた。

先生たちは
変わらない笑顔で
話してるうちに
毎日の授業が蘇るくらい
あの頃のままだった。

あんな子だったのに、
そんな仕事をしてるの?!

先生の笑い声がよみがえる。

私はあまり変わってない。
人一倍臆病で感情的。

これでいい?って困っても
正しい答えを教えてくれる
先生はもういないから。

判断に迷っても
自分を測る偏差値なんて
もう役に立たないから。

それでも、何か確認したくて
職員室の扉を開けたのかもしれない。

ふと見上げたら
がむしゃらに東京を目指して
飛び出した頃と同じ空が
広がってた。

あの頃の私が今の私を見たら
なんて言うんだろ。

面白い人生だね!
って笑ってくれたら嬉しいな。

でも、
あの頃は良かったなんて
懐かしむつもりはないから

ちゃんと笑って戻ろう。



自分で選んだあの街へ。