立ち上がれ
誰も 
そばにいなくたって

かかってこいよ/NakamuraEmi

かっこいいなぁ。

ニコニコちょっと近況を長々とニコニコ

今の職場は第一志望に落っこちて
半ば、ガッカリした気持ちで3年前に入った。


ここで福祉一本で生きてきた私は
初めて事務職と呼ばれる人たちと
同じ仕事をする。

彼らの仕事は常に「効率性」で動く。

事務処理は同じものをまとめてやったほうが
早く片付けられる。
経理処理、6378、その他調査物とかね。

確認をこまめにしたほうが、 
決裁段階で修正に戻されるより
早く仕事ができる。

面倒な問題ほど早く処理したほうが
問題が小さいうちに片付けられる。

早く仕事を片付けるほど
次の仕事をする時間が増えていく。

すごく勉強になったし鍛えられた。

ただ人と関わる部分まで
当時の上司は事務的。

任意入院はすぐ出てこられるから
医療保護入院させてくれる親族と病院を
抑えといたほうが面倒がない。

施設入所は本人を移送車に乗せて
「あとは家で面倒見ます」
そう言ってもらえる施設をブッキングしとくといい。

違和感は日に日に溝になっていく。
直属の上司から指示が飛ぶ。


家死にさせないように
介護業者につなぎ
トラブルが起きないように
家族の連絡先を抑えておこう。

余命宣告から計算して仕事を進めとくこと。
病院の支払い、不動産の処理は早めに。

………絶句。

効率性は必要だ。時間は有限だ。
でも私達が相手にするのは「人間」だろ?
誰かの「命」に口出しするなんて
何様のつもりだ?
人の生きるを守るのがケースワーカーの
仕事だろ?

あまりに身勝手な指示を出す上司は
人事に目をつけられ異動させられたけど。
その間、
そのルールに支配され指示され働くことが
私にはできなかった。
ターゲットにされ、叩かれた。
仕事の取り上げられ
「遊びに来るな」と罵られた。

私の心は固く固く閉ざされていった。
行き場のない心を保つため、
私は「福祉」を捨てた。
今までの10年の経験。
誰かの笑顔も涙も。
すべて。

それからの仕事は楽だった。
ただただ言われたとおりに動けばいい。
でもそこに「私」はいなかった。

あまりに横暴な上司は異動。
私も部署が変わった。

それでも私のしぼんだ気持ちは
そのままだった。

何をしにここへ来たんだっけ?
なんでこの仕事、してたんだっけ?

もぅ…いいや…
私は組織の人間だ。
個人の私なんて関係ない。

机について目線を下げてパソコンに向かう。
定時までただただ動いてればいい。
年度途中で異動した
私は元干され者。
腫れ物に触るように扱われた。

別に良かった。なんだって。

そんな頃、
NakamuraEmiの音楽は私の心に
刺さり響き渡った。

パワハラ?モラハラ?マタハラ?
種類だけどんどん増えちまって……

「かかってこいよ」はうつむいてる私に
真正面から言ってくれた。
大事なのは信頼の積み重ねだって。

そうだよね?それでいいんだよね?

繰り返し聞いてるうちに、
気付いたら私は泣いてた。

かかかってこいよ 敵はそいつじゃない
かかってこいよ 敵は自分の弱さ

あぁ。そうだな。
闘うのは、もうそこにいない
あの上司じゃない。
いつも否定されてうなだれてた私。
いつまでたっても文句をたれて
自分の足で立ち上がらない私だった。

NakamuraEmiに出逢ったおかげで
気がつけた。
私は変わりたかったんだって
私を認めてあげたかったんだって。


私は第一志望だったところの試験を受けた。

ここに来る前、試験に落ちて
涙を流してから諦めっぱなしの自分を
もうやめたんだ。

道草して
空を見上げて
ちゃんと私をなでてあげて
私なら大丈夫だって

遠回りして肩を落としてた自分に
まだ私に期待してあげてもいいんだって
思えたんだ。

試験の結果…


前回悔し涙を流した筆記突突破。

よし。よし。
最終面接まであと数日。


かかってこいよ。

もう私は前の私じゃない。

私の弱さも強さも
すべてをぶつけて挑んでやる。