映画「人間失格太宰治と三人の女たち」
の感想のお話
主人に誘われて、観てきました。
人間失格を読んでいない私にとっては正直、興味を持てる題材ではなかった。
でも、上映中飽きることは一瞬もなかった。
まずは圧倒的な感性に迫ってくる映像の美しさ。
太宰治を取り巻く三人の女たちを
宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみが演じるのですが、それぞれの衣装、背景。
そのキャラクターや場面毎の「色」がとにかく眼底に焼き付けられて、衝撃が止まない。
印象的だったのは、
正妻が家を出ていって帰ってきたときの部屋。異様に整頓されて一輪の花が飾られてるんです。
その絵だけで、正妻がいない間にどの女が何をしていたかが鮮烈にこちらの脳内に浮かぶところ。
衝撃的でした。
蜷川美花さんの演出の作品がもっとみたくなった。
写真家から映画を撮り始めたという経歴にも納得です
そして、人間失格の物語を読みたくなった。
時代の寵児、太宰治。
自殺未遂を繰り返し、結核で静止をさ迷い、人生最期の最高傑作を書き上げた直後、玉川上水に愛人と心中して人生を終える。
常人が想像できる域じゃない。
何がすごいかってそれでも、彼の人生に人は魅了され続けていること。
なぜだ。なぜだ。
なぜなんだろう。
彼はただ、欲求に正直だったのかもしれない。
普通の人が「理性」 「世間」はたまた「こうあるべき論」で封じてしまうものをこじ開けて、かきみだす。だから時代を越えて愛されるんじゃないだろうか?
さて、人間失格が読みたくなった。レビューはまたの機会に。