春。入学式のシーズンだ。
この時期思い出すことがある。
娘が高校に入学する時のこと。
娘の同級生(Aちゃん)が、親の仕事の都合で転校することになった。(後で分かったことだが、親の都合というか、お父さんがリストラされて新天地に行ったそうだ。)
なので、Aちゃんは引越し先にある私立高校を受験していた。←そこは娘から聞いていた。
Aちゃんのお姉ちゃんは、娘が行く高校に通っていた。高2だったので、あと1年なのにねぇと思ってはいた。
高校の合格発表の日、Aちゃんのママから電話があった。
Aちゃんママ
「那智さんの娘ちゃんが、うちのお姉ちゃんの制服をもらいたいと言っていると聞いたけど、要りますか?」
私
「娘から聞いてなかったけど、いただけるならありがたいです。」
と答えた。
娘に聞いたら、別に頼んでないけど、と言う。娘の合格を知ったAちゃんが、あげるよー!と言ってきたと言うのだ。
実を言うと、私はAちゃんも、Aちゃんのママもあまり好きではなかった。
娘は、中学を地元ではなく、私立中学校に行ったため、数少ない同じ小学校出身の子の1人がAちゃんだった。
Aちゃんは、ほら吹きで、ママは見栄っ張り。いつも「うちの子は他の子とは違うの」と言っていた。
その割にはAちゃんは男の子との恋愛に忙しく、娘にも余計なことを吹き込むので迷惑していた。
高校の制服は、ブレザーとベスト、スカート、ブラウス、ネクタイ。元々買うつもりだったが、ブラウスの枚数を減らせるし、ベストは買わなくていいな、と私は喜んだ。
制服の採寸日、ブラウスは1枚注文し、ベストは注文しなかった。
Aちゃんママには、Aちゃんから譲ってくれると言ってきたことは話しておいた。
お下がりがどうしても欲しい訳じゃなかった。
制服は、3年間着るのだから、新しいものを買ってやるつもりだったし。
Aちゃんママからは、3月末に引っ越すから、当日に取りに来てと言われた。
私は、少しばかりのお礼の商品券を準備していた。
すると。
Aちゃんママから
「制服は、転校先でもしばらく着るから、あげるのは4月中旬になる」
と3月の20日過ぎに連絡がきた。
ええっ!?
慌てて制服の業者に連絡して、ベストとブラウスを追加注文した。
お下がりは断ろうかなと思いはじめた。
その後、宅急便で送るが着払いにしていいか、とか、転校先の高校でブレザーは使い回せるから譲れないとか、やっぱり無償ではあげられない、いくらで買い取るのか、など何度も小出しに言い出したAちゃんママ。
もう、面倒くさくなり、
「制服はいただきません。新しい制服は注文できました。元々うちからお願いしたことではなかったし、ムスメさんの思い出の服でしょうから。色々お気遣いいただきありがとうございました。」とメールで断った。
後でわかったことだが、Aちゃんのお姉ちゃんは、希望の高校の編入試験に落ち、私立高校に通うと学費が高いので祖父母の家から残り1年今の高校に通うことにしたらしい。
それならそうと言えばいいのに。断られるように仕向けなくても。
ああママ友なんてイラネエと改めて思った出来事だった。