リップクリーム物語
先日、僕の弟こと
スタッフMMがずっと探し物を…
何を探しているのか?と問いかけたところ
リップクリームがない!と
カサカサの唇を震わせながら
悔しさを押し殺して答えます。
昼休みの短い時間を目いっぱい使いながら
一生懸命、リップを捜す姿に
さすがの僕もホロリ
僕のやつを貸そうか?と
ツヤツヤの唇で僕が彼に言うと
「なんで人のリップクリームを使うねん!」と
さっきよりも心ばかりカサカサ度がました唇で
男らしく僕の提案を一蹴。
その姿はまるで
難事件に立ち向かうシャーロックホームズか、
黒い組織に孤軍奮闘する工藤新一のよう。
その日の夕方…
唇が切れないようおちょぼ口で
薬師丸ひろ子のように笑ってるMMの笑顔は
誰よりもさわやかでかっこよかった
仕事が終わって颯爽と自転車にまたがり
暗闇と人ごみの中へ消えていくその後姿に
頑張れ!とエールを送る僕でした。