誰がための
戦だったと人はいう
己は蚊帳の外の虫
手も足も出せない
羽音ばかりの夜に悶えた
野の草が燃えて
蔓延った平和
誰もそれを刈る人はいない
風もなく
実りかどうかもわからない
ピントがずれた
写真のように
季節のない平和は
荒野に見える
淀んだ空気に
くさった平和
めくらとちんばの行進に
手を取り合った似非仲間たち
烏合の衆が
またやってくる
あの夏の日を迎える前に
荒野に倒れた
孤独の空は
いったいなんだったんだろう
誰がために叫び
なぜ耳に沁むのか
聴いておくれ
この空のあのむしの声