【夢で逢えたら】レビュー [6] 。 | 初心者同志

【夢で逢えたら】レビュー [6] 。

お正月に放送された、芸人たちが一夜限りのコンビを結成して

それぞれにネタを披露をする、【ドリームマッチ】が、

すごく面白かった。


なんだか、20年ぶり!という、かなり大仰しいフレーズをつけられて

はいたものの、あの松本人志と、内村光良が、【夢で逢えたら】以来、

本当に久しぶりに、一緒になってコントを披露するというのだから、

それも、仕方がなかったのかもしれない。


フィーリングカップル方式での、劇的な2人のコンビの決定、

3時間という限られた時間でのネタ作り、

そして見事に息を合わせたコントの披露と、見るべきところは多かった

けれど、個人的にもっとも興味を惹かれたのは、その後にラジオだけで

語られた、放送されなかった番組の舞台裏でのエピソードだった。


用意された最初の3時間が終了後、実際のスタジオで順番に

通しのリハーサルを行うことなっていたのだけど、与えられていた時間を、

それぞれのコンビが、少しずつオーバーさせていった結果、

リハーサルの順番が1番最後だった松本・内村組は、ほとんど

なにもできないまま、時間終了になってしまったという。


2人が考えたコントは、ただでも、舞台の暗転、本人たちのナレーション、

立ち代りで新しいキャラクターになっての登場と、タイミングを

合わせるべきことが多いものだっただけに、その状況には、

本人たちも大困惑。


しかし、お客さんの入り時間が迫り、また午前零時には照明が

すべて落ちるという、TBSならではの理由もあり、やむなくリハーサルは

そのまま終了、本番を迎えることになってしまった。


しかも、そんな中で、2人がなんとか1回だけ通して行えたリハーサルは、

見ていたスタッフが騒然とするほどのひどい出来で、その段階では

本番で大スベリすることも充分考えられたくらいの完成度にしか

至ってなかったという。


コント披露後、「怖かったんです」と語り、すべての結果発表がされたあと、

スタジオから引き揚げてきた2人が、「感動しました」と語ったのは、

そんな、何一つ成功の保障がなかった状況下で、たった1度きりの本番を

完璧に呼吸を合わせきってやり終えられた、満足感と充足感ゆえ

だったのだろうと思うと、ちょっと感動さえしてしまう。


番組の中で2人は、自分たちのことを、「芸暦が違うから」といい、

ラジオの中で松本人志は、披露したコントをもって、

(限られた時間で、あれだけのコントができたことは)「考えられへん!」

などと語ってたが、本番で見事にあわせきったのは、

2人が本当に面白いコントを作るうえで、目指すべきその完成形を、

お互いに寸分違わず見誤らなかったからに違いない。


そして、2人のそんな土壌は、間違いなく、

【夢で逢えたら】から始まったものだったのではないだろうか。


【第006回】

1989年.5月27日放送

構成作家:廣岡豊・和泉光晴・藤沢めぐみ・清水東

    〝〝かけひき上手になりたい!〟〟


【やったんだろ!】

取調室で刑事(松本)と、一対一で睨みあう容疑者(内村)。

「おまえがやったんだろ!」の罵声にも近い厳しい言葉にも、

毅然と、「やってねぇーよ!」

それでもまったく諦めない刑事は、何度も「やったんだろ!」と追求するが、

頑固な容疑者に最後まで、「やってない!」と言い切られ、

ついに強面の表情をゆるめると、ため息1つして、

「・・・・・・帰ってよし」

思わず内村は、「やったー!」

刑事は笑顔で、「・・・・・・やったんだ?」


初心者同志-cop room


【かけひきできない】

公園のベンチで、適齢期を迎えつつある彼女(野沢)が、遠回しに

自分たちのこれからについて、決断を迫ろうとするコント。

「もう、28になっちゃった。私たち、・・・・・・これからどうなるの?」

浜田は苛立たしげに、「わかるか、ボケ!ハラ蹴ったろかっ!」


【おすすめ】

食事に訪れていたお客(野沢・清水)には、今日もレストランの

ウェイターに間違えられながら、今回も営業のステージに上げる、

タキシーズのメンバーたち。

いつものようにカメラの外で漫才を披露したあと、早足で降りてきた

メンバーだったが、今回もほとんどウケなかったために、

早速、険悪な雰囲気に。

雪之条(松本)は思わずポツリと、

「二郎(南原)才能ねぇんだよ」と、衝撃の指摘をするが、

加熱しかけた中傷合戦は、結局次のテレビ収録が迫っているために、

早々と中断、移動を開始することになる。

次の現場の共演者の中には、雪之条を引き抜こうとした、トンチキトリオが

含まれているという。

                        ✤

さらにコントは、夫婦ともに別れたいと思っていながら、慰謝料のせいで、

どちらもそれを先に口にできない状況の中、俳人の松本が突然

あらわれて皮肉る、【別れたい】

珍しく浜田、松本のダウンタウン2人だけで、食事の会計をどちらが

受け持つか、明細書を様々な理由で相手に押しつけあおうとするコント、

【そろそろ行こうか】

メンバー全員参加で、仲睦まじくトランプ遊びしている中、一人(南原)が

徹底した勝利を追求した作戦をとったために、やむなく負けてしまった

内村が、「おまえ、最低だな・・・・・・」と言いはじめたことから、騒然とした

雰囲気となり、ついには全員が絶望して、自殺しはじめるという、

修羅場にもほどがある【ゲームだから・・・】が披露される。

                        ✤
【バッハスタジオのある町】の今週のゲストは、尾形大作。

今回の歌、〔無銭旅情〕は、南原がカラオケに行くと必ず歌う〝持ち歌〟の

1つということで、早速本人を前に披露させられるが、それが

あまりに見事なモノマネを交えたものだったために、

「ナンチャンが、こんなネタもってたなんて」と、苦笑いぎみの野沢。

今回はなぜか全員が最初から、「今にも組体操でも始める」ような、

お揃いの体操着姿。

なぜかと思ったら、今回の企画はは、歌には腹筋が大事だ、という

理由から、ゲスト本人が普段からやっているという、

『腹筋しながらの熱唱』という、楽しげな練習にみんなで挑戦するため

だったことが判明する。


まずは見本を、ということで本人に実践してもらい、その奇妙な風景に

全員でひとしきり笑ったあと、さて、今度はメンバーが挑戦、となるかと

思いきや、南原がふと、

「反復横とびなんかも、いいんじゃないですか」

と思いついたように口にしたことで、風向きが一気におかしな方向へ。

浜田が早速、「ちょっとやってみてください」と、ゲスト本人に歌いながらの

反復横とびを強制、さらに調子に乗って、踏み台昇降しながらの熱唱まで

提案し、本人は、「僕はゲストですよ・・・?」と困惑しながらも、

律儀にそれに応えていく。


結局、最後までメンバーは誰ひとりその練習法に挑戦せず、

ゲストのみが、どう考えてもありえない不思議な練習を披露しただけで

コーナーは終わるのだが、今までにない、プロの歌手に芸を強制させる

というありえない展開に、メンバーはもちろん、スタジオまでもが

これまでにないくらい大きな笑いに包まれる。


連続シットコムドラマ【熱血宅配ボーイ南原二郎 トラブルファイル】は、

今回が第6回。

冒頭、店内でなんの脈絡もなくムラさん(内村)が、とつぜん南原のことを、

昔生き別れた自分の息子だ、といいだす。

当然信じてもらえるわけもなく、やむなく過去に、一時の交際で別れた

女性との昔話をすることに。

そのいい加減な昔話に、最初は2人の親子の縁を取りもとうと宣言して

いた社長(浜田)もすぐに呆れるが、なぜかボブ(松本)だけは感動し、

しかも予定にはなかったらしい本物の涙まで流しだし、いったいどこで、

どうやってその涙を流したのか分からないメンバーは騒然となり、

野沢も、「いったいどうやって!?」と本気の困惑。


結局、本当の息子は南原ではなく、ボブだということが判明し、

ムラさんの話が、どこまでもいい加減だったことがまたもや証明されるのだが、

ボブの流した涙のからくりは最後まで明かされない。


エンディングでは再び内村の衣装に話題が集中し、松本はその衣装に

ついて楽しげに一言、「普通、お金だしては買いませんよね」

今週の内村の衣装のテーマは人類学者らしいのだが、何故か首元には

象のデザイン。

内村は相変わらず、松本の衣装がうらやましいと話すのだった。


最後のコメントは、ネタが尽きたのか、それとも笑いをとることを放棄したのか

松本がただ一言、「歯、磨けよ」

野沢だけがその発言を丁寧に拾って、笑いながら

「ああ、そっちにしたのね」、と口にする。





                


                  【夢で逢えたら】全放送レビュー中 》》