「HEROES/ヒーローズ」 シーズン2(後編)。
■前回、前々回の紹介記事はこちら。
■シーズン1については、詳しい感想をまとめた記事はこちら。
▽日本人だから、もう少しだけ、日本の話。
【HEROES/ヒーローズ】に登場する日本のシーンといえば、これまで
そこに登場している正真正銘の日本人は、ほぼマシ・オカ1人だけという
状況だったのだけど、今回はジャパン・プレミアの際にも凱旋来日をして
話題になった、田村英理子がいる。
映画【ドラゴンボール】への出演、さらに新たなTVシリーズへの出演も
すでに決まっているという彼女は、元は日本の芸能人。
ということは、当然、完璧な日本語ができる!と誰もが思った筈だけど、
シーズン2を見てみると、意外とそうなっていない。
これは彼女自身、既に米国の生活が長いせいで、日本語の微妙な
アクセントが怪しくなっている(来日時のインタビュー時の印象より)
せいもあるみたいだけど、それ以上にどうやら、台本に用意された
日本語のセリフ自体に問題があったようだ。
今シーズンでも日本語のシーンはすべて、マシ・オカ自身が英語から
翻訳しているのかはわからないけれど、少なくとも彼には、用意された
自分のセリフを、自分が演じる役柄にあった日本語のセリフに自由に
変えることができるのは間違いない。
そんな中から全米でも人気になった、「ヤッター!」や、「大ピーンチ」
なんて名日本語が生まれ、さらに今回は、「難易度マックス」なんて
セリフもある。
しかし、まだまだ無名な新人といっていい田村英理子には、台本に
書かれた日本語セリフを、自分のアドリブで言いなおすだけの権限
はさすがになかったようだ。
結果、かなり堅苦しい日本語をそのまま言わなければならず、
彼女が元日本の芸能人だと知っている私たちなどは、余計に
そこに違和感を感じてしまうのかも知れない。
ちなみに、第2話では文体そのものが日本語として成立していない
ようなセリフもある。
さすがに台本をもらった時点で彼女自身も気づいたに違いないくらい
ひどいセリフなのだけど、それもすべてそのまま喋っている。
日本人が米国で仕事をするって大変なんだな・・・・・・と、ふと、思わず
にはいられなかった瞬間だ。
こうなってくると、韓国系米国人であるジェイムズ・カイソン・リー演じる、
アンドウ・マサハシ役のカタコトな日本語が、癒しにさえ感じられてくる
から面白い。
彼自身は、この役が決まってからはずっと日本語を猛勉強をしている、
とインタビューで語っていたけれど、アンドウの日本語はシーズン1から
比べると本当に飛躍的に上達しているのだ。
しかも、その勉強は本格的な学習であるらしく、彼の日本語だけは、
本当に正しい発音やイントネーションをしようという努力がある。
たとえるなら、最近日本で活躍する外国人タレントが、何年も日本で
暮らしている中で覚えたような日本語のイメージなのだ。
ただ日本語風の発音をして、セリフで棒読みしているのではなく、
日本語をかなり真剣に使おうとしている努力のあとがあって、実は
それはこの作品の中ではかなり異例なことだけに、私たちからすると
聞いていて、少し心地よくさえ感じられるのかも知れない。
また、作品の中にあっても、今回はヒロが1番の主役といってもいい
活躍をする立場になり、シリアスなシーンを演じる回数が増えたため、
その代償ともいえる形で、シーズン2のコメディリリーフ役をアンドウが
一手に引き受けることになったのも大きい。
ただの脇役以下の活躍で終わりそうに思えた、なんの能力も持って
いない、ただの日本のサラリーマンという役柄が、まさかここまで重要
な役割を担うことになるとは、シーズン1の時点では、誰が想像できた
だろう。
シーズン2では予定されていたエピソードがカットされた分、ストーリー
自体がかなりシェイプアップされてしまい、登場人物たちの何気ない
素顔を描いているようなエピソードがほとんどなくなってしまったことも
アンドウが出てくると、ちょっとホッと一息つくことできる理由になって
いたりする。
▽作品のテーマと、シーズン3の展望。
昨年、全米脚本化協会のストライキの影響で、予定していたエピソードを
大幅に変更、縮小しなければならなくなった米国のテレビドラマ群は、
そのほとんどが視聴率の降下から逃れられなかった。
そこには問題の長期化に消費者側が呆れてしまった、という意見と、
急遽ストーリーを変更しなければいけなくなったために、シーズン全体
の物語が退屈になってしまった、という意見があるらしい。
この影響には【HEROES/ヒーローズ】も決して無関係ではなく、
シーズン1にはあれほど人気を誇った本作も、結果的にはシーズン2
では存続が危ぶまれるほどに視聴率を落とすことになってしまった。
米国では人気が出たドラマは、その翌年にシーズン2、3と必ず続編を
製作していくのが約束事のようになっているが、最初に得た人気の勢い
で、ある程度の視聴者数が期待できるシーズン2とは違い、シーズン3
は本当の意味で作品の質が問われる、重要なシーズンとして見られる
ことが多いという。
結果、【HEROES/ヒーローズ】にとっても、シーズン3はあらゆる意味
で、勝負をかけたシーズンなりそうだ。
製作スタッフによると、【HEROES/ヒーローズ】シーズン1には全体に
貫かれたテーマがあり、それが、進化 【Evolutions】なのだという。
ちなみにシーズン2が、世代 【Generations】。
進化 【Evolutions】
世代 【Generations】
に続いて、シーズン3のテーマとなるのが、なんと、【Villains】。
意味は、〝悪人たち〟!!
明らかに番組タイトルの、【Heroes】〝英雄たち〟に対をなす言葉を持って
きているだけに、スタッフからもこのシーズン3に対する、強い意気込みが
感じられて、ワクワクさせられる。
さて、【HEROES/ヒーローズ】は世界の危機と同時に、自らをシリーズ
存続の危機から救うこともできるのか!?
シーズン3は来年、日本でも放送予定。
