狩場カメラマンの撮影日記 〔3〕
【短期集中連載!】
狩場カメラマン、須空腑万斎(すくうぷ まんさい)の撮影日誌 その〔3〕。
○月×日 曇り
■生粋の花火職人がいるという、某地方を訪ねる。
なんでも、近隣の住人たちとの交流もほとんどなく、
花火を打ち上げることにのみ、人生の全てをささげているという。
そんな彼のことを、人は〝赤鬼〟と呼んでいるらしい。
私が訪ねたとき、そんな彼の直弟子だという男が、花火打ち上げの
レクチャーを受けていた。
■地面の赤い土が、風に吹かれて舞い上がる音までが
聞こえてきそうなほどの、冷たい静寂の中、
〝赤鬼〟と、その弟子〝青鬼〟が、花火を慎重に装填していく。
一瞬の空白の後、高らかにそれは炸裂した。
