【夢で逢えたら】レビュー [5] 。
【第005回】
1989年.5月20日放送
構成作家:廣岡豊・和泉光晴・藤沢めぐみ・清水東
〝〝今がチャンスだ!〟〟
ほとんど無名ともいえる中で、関東限定の深夜番組からスタートをした、
【夢で逢えたら】のメンバーたち。
全国区の土曜23時という、最初のステップアップを果たしたとはいえ、
まだまだこの時点では、彼らの名前が広く知られているわけでもなく、
番組も深夜の30分番組でしかない。
しかしコツコツと、着実にこれまで作り上げてきたコントと番組の完成度は、
まだ第5回という放送回にあって、確実な人気を手に入れつつあり、まさに
今回のテーマ、「今がチャンスだ!」という状態にいる。
最初のコント、【チャンスに弱い・・・①】はホテルの大きなベッドの上で体育
座りする松本が、現在の心境をナレーションで打ち明けていくというもの。
今、彼女はシャワーを浴びに行っている。
これはチャンスだ。
でも、今、オレはモーレツに腹が痛い。
しかも、ここはユニットバス。
【恋文】は、関東ローカル時代からつづく、江戸っ子父ちゃんと息子のコント。
「おーい、帰ったぞ」と仕事から戻ってきた父親(浜田)に、慌ててなにかを
ちゃぶ台に隠す息子(内村)。
「ん、何を隠したんだ?見せてみろ」、と言われ、大いに照れながら見せた
のは、恋文。
そうか、オマエも恋する年頃になったか、と死んだ母ちゃんのことを思って、
涙まで浮かべる、父ちゃん。
「でも、渡すチャンスがないから郵送しようと思ってるんだ」と、子供とは思え
ないアイデアを披露した息子に、父ちゃんがいつものように豹変。
「おまえ、今切手がなんぼするのか知ってんのか?」という問いに、怯みつつ
も、62円だけど・・・と答える息子。
「なんでおのれのしょーもない手紙に、62円もかからなあかんねん、ボケ」「おのれが働いて稼げ!」
手紙を破り捨て、「汚ッタネー、字やのぉ」
ついには馬乗りとなって、今日という今日は殺したる、と首を締め出しだすが、
突然ガクッ、と首が落ちて動かなくなるという息子の反撃に、思わず笑って
しまい、手が止まってしまう父ちゃん。
辞めよう、と決意した次の瞬間から、ついつい煙草を吸ってしまう【すいすぎ】
に、ホテルにまではいったけど、どうやら眠ってしまったらしい浜田が気だるく
リアルに、1人の朝のその様子を描く【チャンスに弱い・・・②】とつづき、メンバー
全員参加のコント、【ハイ!あがり】がはじまる。
仲良くトランプで、7ならべをして遊んでいるメンバー。
出来心でふと、ズルをして勝負に勝った浜田だったが、誰も気づいていない
中、南原の愛犬サービス(松本)だけがそれに気づいて吼え始める。
なんか、ズルしなかったか?と、なんとなく訪ねた南原だったが、内村がそれ
に続いて、小声で「おまえ、平気で、よくそんなことするもんな」と言ったこと
からメンバー全員が本音での口論を開始。
さっきまでの和やかな雰囲気はどこへやら、友人同士とは思えない、悪辣な
悪口の言いあいとなって、その場は修羅場と化していく。
【ピンチのあとに・・・】は、ホテル以外の場所に舞台を移して新展開となった、
浴衣兄弟たちの2回目のコント。
打ち込まれたエース(南原)と話すため、タイムをとってマウンドへとやってきた
チームの監督(内村)。
どうだ、いけるか?と話しているところに、突如平然とやってくる、二人の兄弟。
「ニイちゃん、放らしてくれや」と、兄貴(松本)。
「兄貴、球速いでーっ」と、弟分(浜田)。
ここは天下の東京ドームのマウンドです、と監督に冷たく断られると、二人は、
「えらいカタブツやなあ」
さすがに「プロ野球なめんなよっ」と熱くなってしまうエースピッチャーをよそに、
牽制球やらしてくれや、ヒーローインタビューやらしてくれや、という2人に素人
の方には牽制球はできません、ヒーローでもない方にヒーローインタビューは
できません、どこまでも冷静な監督。
✤
【バッハスタジオのある町】では、コーナー開始早々、今週のゲストはすごい
ですよ、と語る浜田が続いて告げた衝撃の一言が、「ヤーさんです」。
そんな酷い紹介をされて登場したのは、敏いとうとハッピー&フレーで、今回
の曲は、〔星降る街角〕。
本人たちの歌にあわせてコーラスに挑戦するメンバーだが、本人たちの怖い
外見に、脈絡のない中から突如発表されるシモネタにも思い切ってつっこめず
浜田までが遠慮してしまう始末。
コーラスも声が出ていないだけでなく、かなり音まで外れてしまい、これまでなら
それも笑いとなって終わるのだけど、どこまでも本人たちに遠慮するメンバーは
ついに、笑いにも歌にも中途半端になったまま、最後までやりきることになった。
連続シットコムドラマ【熱血宅配ボーイ南原二郎 トラブルファイル】は、深夜で
放送されていたころのキャラクターが、突然の再登場。
舞台は演歌の大御所、松本幸四郎(松本)が現在講師として在籍している、
マルチタレント学院。
会社の社長(浜田)は、松本がいてくれることに感謝しながら、その言葉を
疑う松本に、
「あなたがいるといないでは、ピンクの電話とチャイルズくらいの差ですよ」
しかし松本は、それはあまり変わらないんじゃないか?
「ウッチャンナンチャンと、B21スペシャルくらいの違いですよ」
にも、それも、あまり変わらないんじゃないか?
同席する関東テレビのプロデューサー内村は、言ってくれるじゃないか、と
2人のアドリブに思わず苦笑いする。
物語の終盤では、そこにコーヒーの宅配にやってきた南原が、1番盛り上がる
シメのセリフを噛みつづけた結果、自ら「スイッチ、オフ!」と宣言して喋ること
をやめてしまい、メンバー全員から総ツッコミをうける。
✤
エンディングでは【バッハスタジオ】のゲストのゴツさについて全員でひとしきり
話したあと、さらに本人がいないのをいいことに、浜田が、ボケようとしてたけど
ゼンゼン面白くなかった、と暴露。
他のメンバーはさすがに同意することにためらうが、スタジオには笑いが生まれ、
どこかホッとした雰囲気になる。
最後のコメントは、松本が投げやりに、
「見ないやつは、もう・・・見なくていいのだ」
と呟くと、初めてと言っていいスタジオの笑いが。
思わず野沢が「ウケた、ウケた!」、と歓声を上げる。

