未来の規格争い。
昨日から のつづき。
今の時期に、私の父がブルーレイ(以下BD)ではなく、
普通のDVDレコーダーに買い換えることにしたのは、
父が、「BDが普及しないかも知れない」、と考えているから、らしい。
そのあと、いろいろと専門的なことを交えて聞かされたのだけど、
私はよく理解できなかったので、簡単にまとめると、
それは、こういう感じのことだっだ。
3月にBDと新世代ディスクの規格争いをしていた、
HD-DVDが撤退した、というのは、かなり大きなニュースにも
なったので、かなり有名な話。
これによって、現在では新世代DVD規格は、
BDで事実上一本化された、と言われている。
そして、実際、BDレコーダーの普及が加速していることを示す
データもかなりある。
例えば、DVDレコーダー市場に占める、BDレコーダーの
比率は、販売金額ベースで4月には初めて5割を超えたそうだ。
なんだ、販売金額か。
そりゃあ、BDはDVDと比べて高価なんだから当然だよ、
と思うかも知れないけれど、実は台数ベースでも、すでに3割を超えている。
つまり、DVDレコーダーが10台売れれば、
そのうちの3台はBDレコーダーが選ばれている、ということになる。
更に、これまではシャープ、ソニー、松下の3社のみで
発売されていた機種も、今後は三菱、日立、パイオニアが参入し、
全6社から、それぞれBDレコーダーが発売されることが
すでに決定している。
今後、バリエーションが増えて、各社が競合していくことで
ますます機能が高まったり、価格が安くなっていくことになるはずだ。
消費者にとっては、それはまさに、理想的な展開だ。
だとしたら、やっぱり、これからはBDレコーダーの時代かも知れない。
と思うのだけど、父の考えは少し違う。
一つには、DVDと、そのDVDの読み書き用フォーマット、
DVD-RW、DVD-RAMといった規格が、これだけ普及している今、
BDに移行して完全になくなってしまうとは考えられない、ということらしい。
繰り返しの視聴にも映像の劣化がほとんどない。
再プレスが簡単で、価格も安価。
早送り、巻き戻しが簡単。
大容量(ビデオテープなどと比較した場合)。
と、今の消費者に充分受け入れられている現状から、
BDがDVD以上に必要とされないのでは、と父は考えているのだ。
そうは言っても、古いものはいつかは必ず、
新しいものに淘汰されていく、というのが世の摂理だからなあ、
と私は思うのだけど、父にはもう一つ言い分がある。
それが、BDの次の世代のディスクの開発。
父によると、1番最初にBDの細かな仕様が発表されたとき、
会社の人たちと話題になったのは、
「これでは小さい」
だったらしい。
機能面の難しいことは私にはわからないけれど、
まず、何よりも記録容量の面で、「次世代」と銘打っているにも関わらず、
あまりに少ない、と感じたのだそうだ。
ちなみに、その記録容量。
DVDの場合、片面一層で4.7GB。
BDの場合は、片面一層で25GBだ。
つまり、BDはDVDの5倍以上ということになる。
これで小さいなんて、それは贅沢というものだよ!と、私だったら思う。
でも、父にそのあと1つの裏話を聞かされて、その考えは
一瞬にして揺らいでしまった。
それは、次の世代の光ディスクとして開発されている、
次々世代光ディスクの仕様。
その記録容量はなんと、200GBだという。
つまり、BDの8倍!
DVDだと、約40倍!!
ちなみに、この具体的な仕様が正式に発表されたのは、今から3年前の話。
BDの場合、仕様を初めて、正式に発表して今年で6年目になる。
それを考えると、この次々世代光ディスクは、もうあと3年で実用化されて、
普通に私たち消費者の手元に届くようになっていても、
まったく不思議ではない、ということになる。
面白いのは、このディスクを開発したのは、
あのHD-DVDの規格を発表しながら、BDとの規格争いに負けて
撤退を表明することになった東芝が、出資している会社ということだ。
HD-DVDの撤退を東芝が表明した日、東芝の株価は上がり、
ソニーの株価が下がった、というニュースがあった。
株主は、「とりあえず、東芝の撤退の決断を評価した」、ということが
新聞には書かれていたけれど、その裏には、
既にその次の世代のディスクを睨んでの戦略、ということが
あるのかも知れない。
そんなわけで、「今はまだDVDでいいんだよ」、というのが
父の言い分だった。
うーむ、なるほどなあ。
と思わず素直に納得してしまいそうになったのだけど、
ふと、私の中に1つの疑問がわいた。
確かにこれらの話は納得できるものだけれど、
父はそもそも、電子機器に関しては、普及するしない
なんてことには関係なく、新しいものが発売されれば、
買わずにはいられない性格の人だったはずだ。
その父が、BDの購入をまったく見送るというのは、一体どういうことだろう。
うーん、なにか怪しいぞ。
と思ったら、実は大きな理由があったわけではないことが、すぐに判明した。
これまでに貯めこんだ、VHS、VHS-C、LDというソフトが
家のあちこちで場所を占領しているので、
そろそろ、なんとかしなさい、と母に言われていたのだ。
というわけで、私もそれに協力するため、
まずは自分のビデオテープの処分をすることになったのだった。