「HEROES/ヒーローズ」力を持たないヒーローたち。
ついにDVDの発売とレンタルが始まって、
テレビCMも積極的に流され始めた海外ドラマ、「HEROES/ヒーローズ」。
そのストーリーは、普通の暮らしをしていた人たちが、ある日、
突如、自分に身に付いた不思議な能力に気が付き、
様々な事件に巻き込まれていくことになる、という物語。
それ、面白いの?
と思った方は、ネタバレはしません宣言!をしつつ、
当ブログで数回に分けて詳しく紹介したこちらからどうぞ。
【HEROES/ヒーローズ(その1)ヒーローという言葉を聞けば、理由もなく燃えるのが日本人!】
【HEROES/ヒーローズ(その2)日本では絶対に作れないドラマ!】
【HEROES/ヒーローズ(その3)ヒーロー像からは遠いヒーローたち。】
【HEROES/ヒーローズ(その4)恐ろしいくらいテンポよく進むストーリー!】
【HEROES/ヒーローズ(その5)視聴者を焦らさないドラマ。】
【HEROES/ヒーローズ(その6)前編 すれ違い、出会わない登場人物たち。】
【HEROES/ヒーローズ(その6)後編 悪役とヒーロー未満の主役たち。】
インタビューでメインキャストの一人が、
「最初、【HEROES/ヒーローズ】というタイトルは危険だと思った」
と語っていた。
確かに、初めて「HEROES/ヒーローズ」というタイトルを見た人は、
その名前が表す通り、超能力を手に入れた人たちが、
ヒーローコミックのようなバトルを繰り広げる物語、
というのを、想像するかも知れない。
でも、実は、あえて複数形で表記された、この「ヒーローズ」とは、
決して、特別な能力者のことばかりを指しているわけではない。
その中には、ただの会社員もいれば、普通の学者も含まれている。
なぜならば、このドラマは、超能力者たちの戦いを描いた
物語などではなく、次々と特別な能力を持った人間たちが
誕生していく世界で生きる、様々な人たちの物語だからだ。
そんな中で、自分なりの正義、ヒーロー像を持って行動している人たちが、
このドラマでは主要な登場人物たち、ヒーローとして描かれる。
つまり、ヒーローズとは、自分なりのヒーロー像を持って生きている、
全ての人たちのことなのだ。
もちろん、そのヒーロー像が、他の全ての人たちにとっても歓迎される
価値観であるとは限らない。
あるヒーローは、自分の身勝手な欲望のため、
あるヒーローは、自分の家族のため、
あるヒーローは、コミックの中で描かれているような正義のヒーローのようになりたいため、
あるヒーローは、それが自分の生まれた理由なんだと信じるために、
自分の正義を貫いていくことになる。
だから、例えば、ヒーローの物語には絶対に必要な存在といえる
悪役の存在も、このドラマの中では自分なりの正義を持った、
ヒーローの一人となる。
そんな物語の背景には、自分たちの信じる正義を振りかざし、
その結果、相手の信じる正義を、理不尽なまでに現実として
見せ付けられることになった、9/11に起きた、あのアメリカ同時多発テロの
事件が、否応なく影響している。
はたして、本当の正義とはなにか。
ヒーローとは、どんな人物のことを指して言うのか。
このドラマは、様々な人物を登場させ、それぞれに違う、
考え方や生き方を掲示させることで、
その答えについて、ドラマを見る視聴者にすべて委ねているのだ。