スキーの授業。 | 初心者同志

スキーの授業。

「私が通っていた小学校の体育の授業には、スキーの授業がありましたよ」


と言うと、仕事場で一緒に働く、地元出身じゃない人からは、


「えええ!?」と、とても驚かれる。


さらに、「ここの地元の小学校は、みんなそうなんですよ」


と教えると、いいなあ、といわれる。


それはきっと、授業という名目で、思う存分スキーができるなんて・・・・・・、

という意味だと思うんだけど、その想像は半分正解で、

半分は間違っている。


スキーの授業は、全校生徒が全員参加して行われていた。

つまりは、運動会や体育祭などと同じ扱いだ。

もちろん、場所にはスキー場が使われる。



yamaea sirogane


貸切、とまではいかなくても、その日は全校生徒が

一斉に、そのスキー場のあちこちに散って、みんなでスキーをする。


これってけっこう、壮観な光景だ。


なんといっても、どこへ行っても、いるのは同じ学校の生徒。

スキー場のどこを滑っても、知ってる人ばかり。


ただ、自由に滑っていいのかといえば、決してそういうわけではなくて、

まず、午前中はそれぞれに、スキーを教えてくれる

先生の元について、滑り方の勉強をする。


このとき、個人によって、滑る力量には差があるので、

みんな、事前に申告してあった、自分のレベルにあった

先生のところに行って、みっちりと教わる。


かなり基礎的なこと、滑るときの姿勢だったり、斜面による雪質の違い、

ワックスのかけかた、といったことから、上級者だと、

滑るさいのテクニック、より速度を出して滑る方法、なんてことを

教わる人もいる。


昼食を挟んで、午後からが、自由時間だ。

そこからは、みんな、自由にどこを滑ってもいい。

リフトも乗り放題。


みんなが、このスキーの授業で、なによりも待ちのぞんているのが、この時間。

スキーをしなければいけない、という規則さえないから、

中には雪だま合戦をしたり、雪だるまを作って遊んでる人もいた。


こう書くと、なんだ、やっぱり楽しそうじゃないか、と思われるかも

知れないけど、それは決して違うんだよ。


このスキーの授業では、参加するみんなが、自前のスキー装備一式を用意する。

雪国に住む人たちだから、冬には、みんな当然のようにスキーに行く。

だから、装備はみんながとうぜん持っている。


ただ、問題はその、スキー板や靴といったものを、

全て自分たちの手で、学校まで運ばなければいけない、ということ。

小学生の小さい体で、自分の身長の倍くらいあるようなスキー板や、

重い靴などを、家から学校まで運ぶのが、どれくらい大変なことか、

少し想像してもらうえれば、わかると思う。


かなり控えめに言っても、それは、ただのいじめだ。


もちろん、授業が終わってスキー場から、学校に戻ってきたあとも、

家まで持って帰るのは、すべて自分たち。


おかげでスキーの授業といえば、今も真っ先に思い出すのは、

楽しかった授業のことなどより、このまるで苦行のようだった、

登下校のことばかり。


スキーの授業は楽しかったの?と訊かれれば、

うーん、素直に「楽しかった!」とは、どうしても言えないでいるのだった。