学級閉鎖と休校の記憶。
私の周りで、風邪が流行りだしている。
一人がひくと、すごい速さと勢いで他人にも伝染していく
風邪の怖さを、今、改めて感じるのだけど、
でも、過去に1番それを感じたのは、やっぱり小学生のときだったのかも知れない。
ある日、クラスメイトの一人が風邪で学校を休んだ。
でも、それはまだ、普通によくある風景だった。
給食で一人一つずつ配られる、プリンやみかんや、牛乳なんかが、
欲しい人たちの中でじゃんけんをして配られたり、
プリントを持っていく人をお願いしたり、という、いつもの光景があった。
翌日、風邪で休む生徒が二人になった。
担任の先生は、口頭で「風邪がはやっているようなので、注意してくださいね」
と言ったりする。
でも、小学生の私たちは、それを、ほとんど真剣に聞いていない。
翌日、更に増える。
三人目。
さすがに少し、私たちもざわつく、
「みんな風邪なの?」
「うん、そうみたいだよ」
その一方で、
「でも、風邪で休めるなんて、いいなあ」
なんて、言ってるクラスメイトも、まだ、いる。
でも、その翌日。
更に風邪をひいて休む生徒が一人出て、しかも、休んでいる生徒が、
ただの風邪ではなくて、インフルエンザだとわかる。
でも、当時小学生だった私は、ただの風邪と、
インフルエンザとの違いをよく知らなかった。
その感染力と、症状の重さも知らなかった。
だから、そうか、インフルエンザなのか、というくらいの思いしか感じなかった。
ただ、誰も座っていない席が教室の中に、ポカンと穴が開いたみたいに、
4つの空虚な空間が作り出されていて、
普段よりも多めに残る給食と、おとなしい教室の中の雰囲気が
とても異質に感じられたのは覚えている。
そして、さらにその翌日。
新たに二人のクラスメイトが学校を休むことがわかって、
家に先生から電話がかかってきた。
「学級閉鎖です」
すでに朝食を食べながら、学校にいくつもりで準備していた中で、
とつぜん、もう今日は学校に行かなくていい、と
伝えられたときの違和感。
なんだか、一人だけ仲間はずれにされたみたいな、疎外感。
いきなり、学校に行かなくてもいい、と言われても、
朝の早い時間、風邪をひくような気配もなかった私は、
一体なにをしたらいいのかわからなくて、なんだか、だらだらと、
普段は見ることのない、平日の面白くもないテレビ番組を見て、
ぼーと過ごしたのを記憶している。
うーん、もしかしたら、人生の中で、
心の底から学校に行きたい!と思ったのは、
あのときだけだったかも知れないなあ、と思う、今日このごろ。
最近では、【職場閉鎖】て言葉はないのかな、と、
風邪で休む人が増えて、自分の仕事の負担が増す度に、
私は思わずにいられないのだった。