「HEROES/ヒーローズ」の、ここが変だよ日本人!中編。
海外ドラマ「HEROES/ヒーローズ」のメインキャストの一人、
マシ・オカ演じるヒロ・ナカムラは、
アニメと漫画をこよなく愛する日本のオタクサラリーマン。
そして、アメリカン・コミック(アメコミ)の大ファンでもある。
詳しくはこちら。
【「HEROES/ヒーローズ」の、ここが変だよ日本人!前編。】
では、どれくらいのアメコミファンかというと、
友人に、自分の持っている知識を披露していて
それ、どこで覚えたの?と聞かれ、
「『■△×』(作品名)の○○号(月刊誌のナンバー)で、
◎▲が(キャラクター名)が登場した回で言ってた」
なんて、ソラで答えるほど。
でも、よくよく考えてみると、日本ではアメコミは
限られた作品が、何冊か発売されただけみたいだから、
これだけ詳しいのは、ヒロがアメリカから本場のコミックを日本に
取り寄せているのかも知れない。
(もちろん、ただ製作者側がそんな日本の事情を知らなかっただけかも知れない。)
ただ、そうなると少し変だ。
というのも、ヒロは、英語がまったくできないからだ。
ドラマの中では、アメリカ人に英語で話しかけられ、片言の英語で、
「ベリーソーリー、アイム、ノット、スピーク、マッチ、イングリッシュ・・・・・・」
と、情けない表情で、困ったように答えるシーンがある。
「そりゃあ、確かに授業では勉強したけど、実際に話しかけられて
会話できるほど、実践的なものは習ってないよ!」
なんて、日本人の心の叫びが聞こえてきそうなシーンで、
思わず、ヒロと自分自身を重ねてしまって、おかしくなる。
そもそも、英語がわからないから、と
片言の英語と日本語で、なんとか会話しようとする日本人が
海外ドラマに出ていることに、驚かされてしまう。
英語のできないヒロは、英語が堪能な会社の同僚、
アンドウくんに助けを借りようとするのだけど、
そのアンドウ役を演じるジェイムズ・カイソン・リーは韓国系米国人で、
もちろん、日本語はまったくできない。
アメリカの場合、映画でもドラマでも、むしろそのほうが
ずっと、当たり前のことで、アジアの人たちを「トークアジアン」と呼んで、
東洋人全般をひと塊にして扱うので、日本人役に
実際の日本人が使われることのほうが珍しい。
のだけど、「HEROES/ヒーローズ」の場合、
ヒロを演じるマシ・オカが、かつて類を見ないほど
見事な日本語を使っているせいで、アンドウくんの日本語が逆に
かなり目立ってしまっている、という事実は否めない。
(アメリカ人は別に気にならない・・・・・・?)
ただし、ジェイムズ・カイソン・リーはアンドウ役が決まってから、
かなり日本語を猛勉強しているそうで、回が進むごとに、
日本語がどんどんうまくなっている。
それでも、まだまだ、彼のシーンでは字幕を頼るのが正しい選択だけど、
そんな些細な変化を楽しめるのも、私たちが日本人であればこそ。
流暢な日本語と、片言の英語を使う、実は英語のほうがずっと堪能なマシ・オカ演じるヒロ。
片言な日本語と、流暢な英語を使う、韓国系米国人が演じる、日本人のアンドウ。
そして、そこに加わる、アメリカ独特の摩訶不思議な日本観。
それらが渾然となって描かれる、
「HEROES/ヒーローズ」の中の日本は、間違いなくすべてが必見!
ということで、その必見シーンついては、後編へとつづく。