突然の誕生会。
それは、友人の家で鍋パーティーをしていたときのこと。
実は、そのとき集まっていた友人の一人が、
偶然その日、誕生日だとわかって、
突発的に、プレゼント大会が行われることになった。
普段は友人同士で誕生日を祝ったことなどないし、
みんながいつ誕生日なのか、なんて
それぞれに、気にしたこともなかった私たち。
なのに、そのときは、何故か、
なかなか集まることがない、顔ぶれのメンバーが、
偶然にもみんな集合していて、
しかも、その内の一人が誕生日だと
判明したことで、
だったら、何か贈らないとっ!
という雰囲気に、自然となったんだと思う。
とはいえ、今から時間やお金をかけて、
改めて、何かを用意すのもためらわれたので、
その場で、即興でぞれぞれにみんなが、
その友人に何かをプレゼントすることになったのだ。
中には、買ったばかりという財布を、
中身を抜いてそのままあげたり、
「誰にでも・・・・・・渡すわけじゃないよ?」
なんて言いながら、自分の部屋の余っていた合鍵を
もちろん冗談で、プレゼントする者がいたり。
プレゼントできそうなものを持っていなかった者は、
突然、漫談を始めるなどしたりして、
とても盛り上がったのだけど、
その中の一人が、学生時代の思い出話を
始めたことで、ちょっと様子がおかしくなってきちゃったんだ。
それは、誕生日を迎えた友人から当時、相談をうけ、
自分も実際にその結末まで見届けた、
という失恋話で、
私だけじゃなく、みんなその話は
聞かされていなかったみたいで、
お祝いのはずが、なんだか同情したくなる
内容の話しだったのだ。
おかげで、せっかく盛り上がっていた空気も
一気に消沈っ!
うっ、もう少し話題を選べよぉ・・・・・・。
みんな、鍋をつついていた手を止め、
顔は俯きかげんになって、盗み見するように、
友人の顔をちら、ちらっ。
ほらあ、変な空気になっちゃったじゃないかっ!
それからの私たちはといえば、
誕生日を向かえた、おめでたい筈の友人を、
なんとなく、みんなで慰めつづけるという、
変な会を続けることになってしまったのだった・・・・・・。
ちなみに、言うまでもなく、
その日の鍋を用意したのも、そのための買い物に
行ったのも、すべて一人でやった私は、
プレゼントとして、得意のプレーンオムレツを
焼いてあげたのだけど、なぜか、全く喜ばれなかった。
うーん・・・・・・。