未完の大作。
これは小説の話。
日本の作家さんによっては、
これはシリーズものだと銘打っていながら、
例えば、作品のタイトルに堂々と第一巻、第二巻とつけていながら、
ある途中で止まったまま、
もう10数年もつづきが書かれることなく、
物語が途中で止まったままになっている小説というのが、
いくつもあるみたいだ。
実際、私の手元にも何冊かそんな小説がある。
しかもこの場合、面白くなくて打ち切りになった、なんて
ものではなくて、大抵の場合、
本人が続きを書くのを、ただ、止めてしまった、
ということが理由だったりするから、手に負えない。
かといって、その作家さんが作家活動を止めてしまった訳でもなくて、
ほとんどの場合、シリーズのつづきを書くことを止めて、
新しい作品を、改めて書き始めているのだ。
読者からすると、この先、一体どうなるの!?という気になるところで、
物語が全く進まなくなってしまうというのは、
苦痛以外の何ものでもないのだけど、
作家の立場からすると、そんなことは別にどうでもいい、
ということなのかなあ。
しかも、そういった作家さんたちは、
「この作品の続きはもう書きません」
なんてことは、決して明言したりしないから
読者の側である私たちばかりが、結局、苦しむことになってしまう。
だってさ、打ち切りの明言をされることもなく、
しかもその作家さんが今もなお、
新作の執筆に意欲を見せているとなれば、
いつかは・・・・・・!て、やっぱり期待してしまうもんなあ。
で、当然、もう二度と発売されることなんてないだろう
新刊を、いつまでも待ちつづける、ということになってしまうのだ。
うーん、さながら、
「ちょっと距離を置こう」と、彼氏に言われて、
素直にその”ちょっと”を、ずっと待ち続ける少女みたいなだなあ。
いつまでたっても、その人はやって来ないのにさ。
だったら「ちょっと」なんて言うなあっ!!
途中で物語が途切れる分かっているのに、
その小説を、もう何度となく、最初から読み始めてしまうことだってそうだよ。
最初の巻のほうを読んでいるときは、ただ純粋に楽しめる
からいいのだけど、終わりに近づくと、
「ああ、でもこの先はどうやっても続きが存在しないだよなあ」
と嫌でも思わずにはいられなくなる。
そんな思いをするくらいなら、読まなければいいのに、
そういった作品に限って傑作が多くて、
一巻を読んでしまうと、ついつい二巻、三巻と読んでいってしまうんだよ!
おとぎ話の世界では、報われることなく、
耐え忍ぶばかりのヒロインは、必ず最後には幸せになれるのだけど、
現実の世界では、違うのだ。
最後まで絶対に報われない。
うっ、なんだか理不尽だなあ。
かと思っていると、10年ぶりにあの続編が発表!
なんて、すごいニュースが飛び込んでくることもあって、
気まぐれにもほどがあるぞ!
と、そんなときは、思うのだけど、発売されるだけでも
喜ぶべきことなのかも知れない。
ということは、私の手元にある、この、
たくさんの未完の大作たちも、いつかきっと・・・・・・。
ああ、そして私たちは、また理由のない期待で、
いつまでも待ち続けることになるんだ。
うーん、・・・・・・とりあえず、長生きすることから始めようかなあ。
