残った宿題。
私のにとっての夏休みは、大抵、いつも、
そのまま、バイトの思い出だった。
初めてやったのは中学一年生のとき。
学校では禁止されていたのだけど、
親しい人から誘ってもらったことと、自分でも興味があったこともあって、
私は迷うことなく、やることにしたのだった。
実際、トラブルと呼べるようなものもなく、
一ヶ月を無事にやり遂げることができて、
私は給料をもらうことができた。
その額、実に当時の私の。半年分のお小遣いに匹敵した。
私はしっかりと貯金をして、その後、
・・・・・・その後、うーん、何かに使ったんだと思うけど、
何に使ったんだろう。
記憶にないということは、きっと、
大したものには使っていない、のだろうなあ。
ただ、このときに問題だったのは、そんなことよりも、
夏休みに出されていた宿題のことだった。
というのも、当時の私はそんな事情だから、
バイトをして、部活に行ったら、一日はもう終わり。
友達と、どこかに遊びにいく時間もなければ、
当然、宿題をする時間なんて、あるはずもない。
しかも、慣れない労働で、中学生の体なんて、あっという間に
疲弊して、ちょっと時間ができても、大抵は寝るばかり。
夏休みはあっという間に過ぎていってしまったのだった。
しかも、間が悪いというのか、
当時、私のクラスの担任だった先生は、
自分の気に入らないことがあると、
その原因を作り出した生徒を、指をさして呼びつけて、
バッチーンと、今にも火花が出そうな、
ものすごいビンタをする横暴教師。
もし、夏休みの宿題を、僅かでも残そうものなら、
どんな結果になるのかは、もう、火を見るより明らか。
うーん、困ったな。
なんて思っているうちに、夏休みはどんどん減っていくし、
それでもバイトと部活は行かなくてはいけないし、
宿題はまったくもって、進まないし!
わーん、八方ふさがりじゃないかっ!
それでも、せめて宿題が、問題集のようなものだったら、
友人に写させてもらう、なんて方法もあったかも知れない。
でも、そこは、さすが学校。
相手も考えてるんだよ。
当時の私たちに出された宿題というのが、なんと、白紙のノート二冊。
ノートは普通に授業の書き取りに使っている、あのノートだ。
それを渡されて、いったいどうするんだろう、と思ったら、
「何を勉強するかは、皆さんがそれぞれ自由に決めてください」
だって。
つまり、勉強の内容は指定しないけど、
とにかく、このノート二冊をすべて埋めなさい、ということらしい。
普通に黒板に書いてあることを写していったって、
一学期くらいの間じゃ、とてもノート一冊なんて埋め尽くせやしなっていうのに!
たった一ヶ月で、しかも、二冊すべて、自分たちの自習で
すべて埋めるなんて!
ただでも厳しい受験戦争を、勝ち抜いていかないといけない
世代なのに、こんな無責任でいいのか、学校はーっ!
と思ったけど、条件はみんな一緒だもんなあ。
やれと言われたものは、仕方ない。
もちろん、宿題はそれだけじゃなくて、研究レポートだったり、
読書感想文だったり、防火ポスターの製作だったり、
他にもどっさり、山のように出されていた。
当然、白紙のノートも含めて、あとで友達に見せてもらえば
すべて簡単に済む、なんてものは一つもなくて、
うっ、どうしよう、私はとても全部なんて、できないよ!
なんていっている間に八月も終わって、
夏休みも、残り二日となったある日。
なんとか、いくつかの宿題を片付けたものの、
私の目の前には、夏休みが始まる前に渡された白紙のノートが、
二冊、まったく白紙のまま、残されていた。
さあ、どうする!
もう時間がないぞ!
もし、やらなければ、担任の先生に、なにをされるか分からない!
そこで、私がとった手段というのが・・・・・・・っ!
というところで、以下、明日につづく・・・・・・。