収集癖。
私の部屋はあまりにもガラン、としている。
自分では気にならないんだけど、
友人には、
「まるで、これから逃げ出すつもりでいる人間の部屋みたいだな」
と言われる。
確かに、自分の部屋を見て何か思うことはないのだけれど、
反対に友人の家に遊びに行ったりすると、
たくさん物があるなぁ、と思うことがある。
物欲がないの?
と訊かれることもある。
そんなことはないと思うんだけど、
ただ、買い物にいくつもりで出かけたのに、
店頭に並んでいる商品を眺めているだけで満足してしまって、
何も買わないで帰ってきたりしてしまうことが、
よくある。
それで、本当に必要だったものなどは、
あとになってから、買ってこなかったことを後悔することになって、
わざわざそれだけを、もう一度、買いに行ったりする。
でも、物が少ないと、片付けるのも簡単だし、
大切な物を紛失したりすることも、ほとんどない。
それで、やっぱり、ついつい物を増やすことをためらってしまって、
やっぱり、私の部屋はいつまでもガランとして、
なにも置かれないまま、また、友人に言われてしまう。
「妻に一方的に別れを告げられて一人で暮らしてる駄目夫だって、
もう少し、物を置いてるぞっ!」
たとえば食べ物のように、消費されて、消えてしまうものでもない限り、
何かを買う、ということは、自分の持ち物が増やす、ということだ。
当然、それはタダではなくて、お金もかかる。
わざわざお金まで払って、自分の部屋を
物で一杯にすることはないじゃないか、と思うんだけど、
それはただ、物を整理する力が私に欠けている、
というだけなのかも知れない。
「え?この家、栓抜きもないの?」
「いまどき、懐中電灯のひとつも置いてない部屋なんて信じられん!」
「ねぇ、暑いんだけど、クーラーはどこにあるの?」
・・・・・・何事にも、限度というものは必要なのかもしれないなあ。