体力ハンター。
昔から、ことあるごとに、人生は長い長い道だ、と、人は言った。
山あり谷ありの、長い道なのだと。
道で休んでいる人をみると、人はため息をついた。
みんなは、必死に先に進もうと努力しているのに、君は何をしているんだね、と。
でも、休むことは、そんなに悪いことだろうか。
いま、私たちの前には、きれいに整備された道がある。
すでにたくさんの人が通り、すっかり安全が保障された、完成された道路だ。
脇には親切すぎる看板がいくつもたっていて、
迷うことのないよう、私たちを導いている。
私は考える。
この道を外れた先には、いったいなにがあるんだろうか、と。
はるか昔、人生を道にたとえた人々は、地図さえなく、
日が沈む向きと、満点の星空から、進むべき方角と距離を導きだした。
そして、その先にある、窺い知れない未知の世界に怯え、夢を見た。
でも、生まれたときから、空白など存在しない地図を見て育ってきた私たちは、
全ての道が、結局はどこかにつながっているのを知っている。
ずっと先までつづく、長い長い道は、もはや、迷うことなく誰でもいける、
簡単な道になってしまった。
だから、人は言うのだ。
何を迷っているのか、と。
ただ、先に進めばいいじゃないか。
立派な道が、すでに君の前にはあるのだから。
でも、私は、そうじゃないと思っている。
休ませていた体を持ち上げ、私は道の外へと一歩、踏み出してみた。
まだ、誰も通ったことがない、踏み荒らされる前の荒野を、
もし、歩くことができたなら、その先にはなにがあるのだろうか。
試してみよう。
力一杯走って、その先を見てこよう。
準備はいい?
じゃあ、いっちょう、行ってみようか。
オンラインゲームの「MHF」 では、スタミナゲージというものがあって、
それがなくなるまで走り続けることができる。
目一杯走って、ゲージが全てなくなったとしても、
休んでいれば、またすぐに回復して、走れるようになる。
延々と走り続けることができないのは、この現実と同じだ。
うん、やっぱり、そうなんだ。
休むことは、悪いことなんかじゃない。
