角煮Ⅲ。 | 初心者同志

角煮Ⅲ。

私はお酒をほとんど飲まないから、

仲のいい友達たちと食事へ行くと、ほぼ食べる専門。


普段はどんどん酔っていく友達を、一人、ほとんど素面で見ているのが

結構楽しくて、そんなに問題はないんだけど、

でも、それも飲む人間の酔いの深さによるなぁ、としみじみ思ってしまった。


あるとき、そんな席で、ここにいる自分たちだけでキャンプに行こう、

という話がでた。

一人がテントを持っている、と言い出したのがきっかけだった。

で、それぞれが持っているアウトドア用品を挙げはじめてみたら、

これは、ここにいる人間だけで、かなり立派なキャンプができるんじゃないか!?

ということになったのだ。


そこまでは、悪くなかった。

うん、なかなか楽しそうでもあるしさ。

まあ、実際にやることはなくても、もし本当にできたら、なんて想像しあって

会話するのも盛り上がるもんな。


でも、酔った人間の勢いって、恐ろしいんだぜ。

なんと、それがただのその場の話にはならなくて、本当に実現してしまったんだ・・・・・・。


実際にみんながそれぞれにキャンプ用品を持ちよって集合した当日。

並んだ数々の道具をみると、おや、意外と悪くない。

テントは最新のもので全員で寝ても充分余裕のあるような大きなものだったし、

中には夜はみんな花火しよう、なんて、どっさりそれを買い込んでる者もいた。

正直、話がでてきた場所が場所だっただけに、最初は心配だったんだけど、

結構みんな、本気で楽しむ気みたいだ。


なんて、少しでも思った私が甘かった。


よく見渡してみると、明らかに足りないものがある。

私たちが出発するのは朝。

帰りは明日の昼の予定だ。

ということは、その間の食事は全て自分たちで賄わなければいけないはずだよ。

なのに、誰も食材を買ってきてないんだよっ!

あるのは飲み物くらい。

それも、アルコールばかり。


私がそれを言うと、みんなは私の顔をちょっと切なそうな目で見返してきた。

な、なんだよお・・・・・・。


「だって、そういうのは作る人間が買ってこないとさ」

「そうそう、ヘンなもの買ってきちゃったら逆に迷惑だろ?」


で、みんなの視線が私の足元に集中。


「君が用意したそれは、なんて道具だっけ?」


ぐっ・・・・・・。

ああ、そうだよ!

みんながそれぞれに持ち寄ったキャンプ用品の中で、

私が持ってきたのは確かに「料理道具一式」だよ!

どうせ、誰も用意してないだろうと思ってな、ちくしょうめっ!


「飯盒」だって用意したよ!

これでハンゴウ、て読むんだよ。

飯盒で焦がさないようにご飯炊くのって、結構難しいんだぜ・・・・・・。

知ってるんだ、私は。

小学生のとき、よくやってたからさ、キャンプ・・・・・・。


で、結局そのキャンプの間中、私は食事係をすることになって、

なんだか野獣たちのなかに放り込まれた、甲斐甲斐しい召使いみたいに、

みんなの面倒を見て回ることになったのだった。


うっうっう・・・・・・。



EGG 01


煮汁がほとんどなくなったところで半熟ゆで卵を加える。

そして弱火で卵に少し色がつく程度までコトコト煮れば、

特製の豚肉と卵の角煮はこれで完成。


夏場の食欲があまりわかない時期はこれをもう一工夫。

それはまた次回に。