赤の女王。
同じ場所にいるためには、力の限り走らねばいけない!
どこか他のところに行きたいのなら、少なくともその二倍の速さで
走らなければいけないのだ!
と言ったのは、ルイス・キャロルの著書、
「鏡の国のアリス」の中の、赤の女王だった。
子供の頃に読んだときはヘンなことを言ってるなあ、と
思ったくらいだったこの場面だけど、
今改めて読んでみると、結構深いことをいってる気がする。
私たちが何もしなくても、一日というのは勝手に過ぎていく。
誰だって、その日を楽に過ごせるなら、そのほうがいい。
でも、何もしないってことは、後退だぜ。
一日はそれでも過ごせるのかも知れないけど、
そんな日て、実はただ無駄に時間を浪費しただけの、意味のなかった一日なんじゃないかなあ。
確かに、ただ毎日学校へ行って、帰ってきて寝るだけの生活を、
仕事に行って、帰って、また仕事へと向かうために朝起きるだけの生活をしていると、
そこに、本当に自分のやりたいことがあるのだとしても、
私たちはふと、こんな毎日でホントにいいのかな、
他にもっとやるべきことが、自分にはあるんじゃないのかな、
と思ったりすることがある。
でも、決して何もしていないわけじゃなく、
それどころか私たちは、そんなことを思いつつも、
自分自身のために、毎日必死に、頑張って生きているのだ。
でも、女王は言う。
「力の限り走って、ようやく同じ場所にいられるのだ」、と。
走れば走っただけ、他のところにいけてしまうのは、
「それは呪いの国だ」、とまで言う。
もし、私たちが本当に今の自分に満足できないでいるのなら、
今いる場所より、もっと違うところに行きたいと願うなら、
そのときは、
自分で「これ以上ないくらい頑張ったぞ」といえるような努力をした瞬間を、
ずっと上回ったその先にある、もっと、ものすごい努力こそが必要なのかもしれない。
それが、私たちにとって前に進むということなのかも知れない。
