審判廷には、
わたし
のほかに、
れーかちゃん(わたしの正面)
おばあちゃん(わたしからみてれーかちゃんの左となり)
次席調査官 と ヒヨコ調査官 と めがねをかけたサエない中年書記官(わたしの左側)
付添人のK先生 と 女性の先生(わたしの右側)
れーかちゃんを押送する鑑別所職員2名(れーかちゃんの後)
が入りました。
「じゃ、審判を始めますが…今朝はちゃんと朝食とりましたか?」
人定質問の前に軽く当たりをさぐりました。
まったく無視です。
言わなきゃよかった。
(。・ε・。)
事件について読み聞かせると、それには
「間違いありません」
と答えました。
経緯について質問します。
もっぱら、本人の供述調書に沿った確認程度の質問ですが…となりのおばあちゃんは身を乗り出すように聞き入っています。
本人は、まるで投げやりな応答です。
やっぱり…
…これでは前回までの審判と変わらない…
「また、こんなことすると、少年院だとは思わなかったかなぁ…?」
そろりと質問の方向を変えます。
れーかちゃんは、また黙秘モードに入りました。
アルバイトは一生懸命やっていたか?
おばあちゃんの言うことは聞いていたのか?
どうして同棲したのか?
手を変え品を変え質問しましたが、たまに頷いたり「なんとなく」って呟いたりするだけで、本人から中身のある話は出てきません。
やっぱりね…
ホントに調査官とは話ができてたのかな~???
書記官の手は止まったままです。
審判が始まって、20分ぐらい経過したでしょうか。
もう、保護者の意見、付添人の意見、調査官の意見と、用意されたメニューを済ませて終わらせよう…と思いました。
それぞれ、5分か10分かかっても、40分か50分は審判したことになるなぁ…
じゃあ…と言いかけた時
「裁判長!」
K先生が手を挙げて立ち上がりました。