前に、うちの近くに釣り堀があるのを発見したって書いたことがあるんですが…
ニジマスが釣れて、そこで食事もできるんです。
雨上がりに行くと、とてもよく釣れるんですねぇ!
もう、釣り糸を垂らせばすぐにグッと手応えがきます。
楽しいじゃないか!
もうちょっと客が来ててもおかしくないと思うのですが、いつも空いています。
もったいないねぇ…みんな知らないの? という気分がある反面、身近な穴場って感じでこのまま人に知られないで欲しい気もします。
当面、ひま見つけて通うなこりゃ。
■□■□■□■□■□
さてシューケイですが、
「げええ! あいつとまた会わなきゃいけないの?」
なんて思ってしまうのは、もとの審判で強い反発を示していた少年の収容継続審判というような場合です。
「アイツのせいで少年院に送られた」
なんて思っているだろうなぁ~。
収容継続審判を少年院で行う場合、それは出張ですから、当然、電車やバスで行きます。
ああいう収容施設はですね、よく考えてみれば当たり前なんですが、交通至便な場所にはないです。
たいがい、「そこまで行くのはちょっと不便だよな~」っていうところにあります。
少年院で部屋を借りて、そこで審判をします。
審判ですから、親にも来てもらいます。
書記官もいます。調査官もいることが多いです。
家庭裁判所の建物ではありませんが、少年院の一室であっても、そこで審判を開く以上、そこが審判廷となります。
「君はここに来てどのくらいになりますか?」
「1年です」
「ここに来てからの生活を振り返って、自分で点数をつけるとしたら、何点ぐらいですか?」
「…70点ぐらいです」
「70点? 100点じゃあないんですか」
「はい」
「それはなぜですか」
「えーと…それは…ここでほかの人としてしまった規律違反があって…」
収容継続をしなければならなくなる場合というのは、少年院に入ってからの規律違反などで、カリキュラムの進行が遅くなって、出院時期が予定より遅くなってしまうから…なんてことが多いのです。
審判が終われば、荷物をまとめて、少年院を後にします。
あ、そうそう、わたしはその前に少年院の中を見学させてもらうことが多かったですね。
あれねー、よくよく見ておくべきよ。
修習生の時とは違った発見があります。
っていうか、自分が少年を送った少年院ってどんなところ?って切り口からよくよく見てみましょう。
やっぱり、あしたのジョーがいたようなところなのか?
閉鎖施設でありながら教育施設でもある、その工夫がどういったところにあらわれているか…
ま、そうこうして帰途につきます。
書記官さんがですね、記録を持っています。
これがネックなんですね。
ネック? なんのネックかって?
決まってるじゃないっすか。
飲みに行くネックですよ。
帰りに飲みに行って、酔っぱらって記録紛失…なんてことになったらコトです。
「わたしは飲みませんが、裁判官が行かれるなら、おともします!」
なんて言われることもありますが…
「じゃ○○さんその後どうするんですか?」
と聞くと
「その後で役所に帰って記録しまいます」
なんて律儀なことをおっしゃる…
「じゃあ、とりあえず、一緒に役所に帰って、それから飲みに行きましょー!」
なんて展開になります。
そんなわけで…
「かんぱーい!!!」
「どうもどうも」
「お疲れさまでした」
「暑かったですね」
「すいませんナマもうひとつ!」
裁 「前に審判した少年のシューケイって、なんか違いますね」
調 「そうですか?」
書 「やっぱり!」
裁 「違いますよ」
書 「そう思いましたか裁判官も!」
裁 「うん」
調査官は結構ベテランの人でした。
わたしと書記官は、どちらも初めて少年事件を担当したのでした。
調 「なにが違いましたか?」
裁 「だってあいつ…」
書 「そーですよねー!!」
調 「少年が? 違ってる? ああそうですか」
裁 「あんなにフツーに話ができるとは…!」
調 「前の審判の時は違いましたか」
書 「そっか、前の審判の時は調査官が○○さんじゃなくて○○さんだった」
裁 「もうね、ずっと上目ずかい」
書 「反省しようと思っているところで捕まるなんて、やってらんねえ! って裁判官に言ったんですよね審判で」
裁 「そうそう」
調 「あっはっは」
裁 「それがさー」
書 「びっくりしましたねー」
裁 「やっぱりびっくりしましたか?」
書 「しましたよ」
裁 「ぼくもびっくりしましたよ…あれには」
調 「今日そんな場面ありましたか?」
裁 「ありました!」
書 「うんうん」
調 「どんな時?」
裁 「それは…」