諸々事情がありまして、自立支援施設で居候することになりました(;^_^A
「子供は好きですか?」
「苦手です」
なら自立支援施設で働くな!って事なんですが、諸々事情がありまして
「なるべく子供達が近づかないようにしますので」
「ありがとう。書類に関する事は何でも言ってください」
「助かります。早速ですが、この書類の来月分を作ってもらえますか?」
「承知しました」
「こちらがExcelで作成したフォーマットです。これに日付と曜日、児童の名前と受給者番号、及び生年月日を入力して、全児童分の書類を作成してください」
「わかりました」
開いてみると、何やらごちゃごちゃと関数が・・・なるほど、「西暦」と「月」を入力すると、印刷する書類の表に計算した「日付」と「曜日」が表示されるってことか。あれ?・・・児童の管理番号を入力したら「氏名」と「生年月日」「受給者番号」は、関数で計算される様に・・・あぁ、計算式が書いてあったセルに誰かが直接入力したんだな。このシートが児童の情報を記録したレコードなのか・・・であれば・・・上書きされて消えた関数は・・・これで良し!
しかし、児童の「管理番号」と「第何週」の数字は手入力。結構手間だな。来月分は手入力して印刷するとして、終わったらマクロを組むか。
1日の作業時間は2時間、全員分を印刷するのに3日かかった。作業中、学校が終わって施設に来た子供が、うろんな目で僕を見る。見知らぬ人物には迂闊に近づかないよう教育されているのだろう。
「印刷できました」
「え!もう、できたんですか?」
「はい」
「私、毎日残業して、それでも間に合わなくて、休みの日も使って印刷していたんですが?」
「そうですか。それは大変でしたね」
「今までの私の努力は・・・」
遠い目をした施設長
「僕は、半導体のデーターを毎日Excelで集計していたので」
「それにしても・・・」
さて、マクロを作成しますか。
先ずは、児童1名分の全ての書類を一括印刷するマクロを作成。そして、印刷するウィンドウをユーザーフォームで作成して、シート上にボタンを配置して、ユーザーフォームを呼び出すサブルーチンを登録。
こんなもんかな?
「あの~、印刷するマクロを組んだので、使い方をレクチャーしたいのですが・・・」
「???」
「このExcelのファイルを開いて、このボタンをクリックするとウィンドウが表示されるので・・・」
「・・・あの~、当分、通ってもらえるんですよね?」
「はい・・・」
「では、そう言う事で」
施設長、満面の笑み攻撃!
「あはは・・・まぁ、そう言う事で(僕が印刷します)」
「ありがとうございます!!!」
やばい!この笑顔には逆らえない!!
が、この笑顔が鬱病の特効薬であった。「出るぞ」と決意してから実際に家を出るまでに1時間は逡巡していた僕でありますが、施設に赴く足は軽い。
つづく