8年ぶりに点滴を打った週末
早いもので2010年になってもうすぐひと月が経つそうで、
巷でもさすがにお正月の話題は出なくなってきた今日この頃。
そんなこと言って全然新年の話から始めますが(笑)、今月の初めの休日に、
よし、新しい年だ!ということで、前から欲しかった家具を買ったんですよ。
最近は特別な用がなくてもフラッと散策に行ってしまう横浜のIKEAで、
去年からサイズやら計算して散々迷った揚げ句、どうしようか悩んでいた棚。
それはレコードやCDをまとめて収納できる超巨大な木製のシェルフで、
すごーく気に入ったんだけど、しっかりしているかわりに相当重くて、
セルフピックで運んで、車にギリギリ積んで、持って帰るのも一苦労でした。
そしてつい1週間ほど前の休日の話。冬晴れの気持ちのいい午前中でした。
窓をパーッと開け放って、やれやれと半月遅れの大掃除なんかをして、
ときどき口笛を吹いたり、うたでも歌いながらその棚を組み立てていました。
そのIKEA製品の組み立て方が書いてある薄っぺらい英語のしおりには、
間抜けな顔のイラストで、この商品は絶対に二人以上で組み立てましょう。
みなたいな注意書きがあったのですが、そんなことはもちろん無視。
まあ家に誰もいなかったし、とりあえずひとりで組み立てていたんですね。
そうしたら、ふぅー、ついにそろそろ完成だーというところで、
壁に立てかけてあった完成間近の巨大なシェルフが、何かのはずみで
思いっきり倒れてきて、轟音とともに僕の “右足の甲の上” に落下!
その瞬間、激痛と共に、たぶん「うおーマジかよ」とか何とか言って、
思わずうずくまって「イテテテテテ...」と動きが止まる。相当痛かった。
マジでしばらく動けなくて、全身のチカラが入らなかったくらい。
靴下の上からなので肌に直撃ではないのですが、なぜか皮膚がはげて流血。
でもまあ男の子だし、こんな傷は唾をつけときゃ治るだろうと思って、
とりあえず消毒して家にあった軟膏をつけて自然治癒を待っていました。
そんなこんなで、しばらく普通に歩いたり、仕事したりしていたわけです。
傷は足の甲なので、歩いて靴が擦れたりするとそれなりに痛かったけれど、
まあ我慢できないほどではないので、早くカサブタできて!と祈りつつ。
ところが切ったところは全然良くならないし、痛みはだんだん増してくるし、
金曜日には仕事中にちょっと歩くのもキツいって感じになってきて、
こりゃあヤバいなってことで、仕事後に夜間急扱いで外科に直行しました。
診察の結果、肉がむき出しになっている所からバイキンが入って、超化膿、
骨には小さなヒビが入っているということで、お医者さんにはなぜもっと
早く来なかったんだと怒られるわ、夜の病院は不気味だしで、散々でした。
足は体の一番下にあって血が全部たまるところらしくて、小さな傷でも
バイキンが入ると厄介で、放っておくと大変なことになるそうです。
本当の本当に最悪の場合、ヘタすると、足を切断なんて場合もあるそうで。
僕の場合はそこまでじゃなかったけど、糖尿病の人とかは特に大変みたい。
とまあ、そんなこんなで全身を消毒するため抗生物質の点滴を受けることに。
薄暗い夜の病院の静かな処置室で、大のおとながネクタイを締めたまま、
足には包帯を巻かれ、腕には針を刺されて、看護士さんのされるがままに。
街は週末、金曜の夜に俺はひとり病院で何をやってんだと思いましたよ。
僕は幸運なことに何だかんだで体は丈夫らしく、あまり大きなケガや病気は
これまでしてこなくて、病院に行くのは結構レアな機会だったりします。
それで、点滴を打たれながらこの前最後に点滴を打ったのはいつだろう?
と、ぼんやり無機質な病院の部屋の天井を見上げながら考えていました。
そうしたら思い出した。最後に打ったのは高校3年生の大学受験の時でした。
本命の早稲田の入試の直前に、風邪だったかインフルエンザだったのか、
はたまた極度の緊張かプレッシャーか、原因は本当に謎だったんだけれど、
ものすごく具合が悪くなって、医者に連れていかれ、なぜか点滴を打った。
それで、あのとき点滴を打ったから今の自分があるのかもしれないな、
とかひとりでボーっと考えていて、点滴が終わるまでの30分くらいの間、
なんだか久々に色んなことを思い出していました。
でも、それは、結果的に大学に受かったからとかそういうことじゃなくて、
なんというか、色んな理由で点滴をたまに打たれる人ならわかると思うけど、
あの点滴を打っている数十分間って、普段元気に暮らしている人からすると、
絶え間なく忙しなく進んでいく人生の時間に思いがけずポッカリ空いた、
時間の空白っていうか、とりあえず一旦、自分の時が止まるわけですよ。
まあ飛行機とかの移動を別にすれば、ああやって自分の自由がきかない
固定された時間というのは、普段あまりないんじゃないかと思うんです。
しかも半強制的にある意味拘束されているんだから、自分の意志がなくて
何もすることができない、体も動かせないという不思議な時間。
昔の職場によく点滴を打って出社する人がいたけど今ならわかる気がする。
でも変な話ですが、点滴を打ってもらって色んな意味で気持ちよかったです。
わずか30分ほどの間だけど、久々に完全に時を止めることができました。
って、お前は休日とか、充分リラックスして何もしないをしてるじゃないか、
とか、結構普段も何だかんだで、ゆるくゆっくり生きてそうじゃないか、
と思う人もいるかもしれないけど、やっぱり完全な時間停止はないですよ。
カレーは一晩寝かしたほうがうまかったり、うめぼしも何年も漬けたものは
味が染みてより味わい深くなったりします。ワインも年代物が美味しいし。
それと同じで、僕たち人間は現実的には死んじゃうから不可能だけど、
一旦人生の時を止めるというか、スイッチを切る時も必要なのだと思います。
受験の時は、もう本当にラストは脳がオーバーフル稼働してた気がするし、
点滴を打っていた時間で、知識や記憶を体に染みこませたとも言えて、
おとといの点滴でも、色々とここ数年動き続けた自分の脳みそを休めるための
時間だったのかもしれない。寝かして何が生まれるかはまだわかりませんが。
まあそんな感じで、つかの間の休息。間奏のような中休みのような時間。
でもまだとりあえず足は痛いし、仕事は忙しい時期が続いて休めないしで、
現実は全然優しくはないですが、なんかすごくいい時間だったんですよ。
新年早々に長引く風邪を引いたり、怪我をしたりと、滑り出し微妙な今年。
今年の目標である『健康第一』が早くも1月から守れないでいますが(笑)、
なんだか色んなところで、僕の人生が再びちょっとずつ動き出してきている
ような気がする今日この頃。おそらく “きざし” は悪くはない、と信じたい。
とりあえず明日、朝イチで消毒に行ってきます。
病院混んでないといいなー。
ちょっと長い現実的な近況報告でした。
しばらく温泉には行けないよ!
おしまい
* * * * * * * * * *

巷でもさすがにお正月の話題は出なくなってきた今日この頃。
そんなこと言って全然新年の話から始めますが(笑)、今月の初めの休日に、
よし、新しい年だ!ということで、前から欲しかった家具を買ったんですよ。
最近は特別な用がなくてもフラッと散策に行ってしまう横浜のIKEAで、
去年からサイズやら計算して散々迷った揚げ句、どうしようか悩んでいた棚。
それはレコードやCDをまとめて収納できる超巨大な木製のシェルフで、
すごーく気に入ったんだけど、しっかりしているかわりに相当重くて、
セルフピックで運んで、車にギリギリ積んで、持って帰るのも一苦労でした。
そしてつい1週間ほど前の休日の話。冬晴れの気持ちのいい午前中でした。
窓をパーッと開け放って、やれやれと半月遅れの大掃除なんかをして、
ときどき口笛を吹いたり、うたでも歌いながらその棚を組み立てていました。
そのIKEA製品の組み立て方が書いてある薄っぺらい英語のしおりには、
間抜けな顔のイラストで、この商品は絶対に二人以上で組み立てましょう。
みなたいな注意書きがあったのですが、そんなことはもちろん無視。
まあ家に誰もいなかったし、とりあえずひとりで組み立てていたんですね。
そうしたら、ふぅー、ついにそろそろ完成だーというところで、
壁に立てかけてあった完成間近の巨大なシェルフが、何かのはずみで
思いっきり倒れてきて、轟音とともに僕の “右足の甲の上” に落下!
その瞬間、激痛と共に、たぶん「うおーマジかよ」とか何とか言って、
思わずうずくまって「イテテテテテ...」と動きが止まる。相当痛かった。
マジでしばらく動けなくて、全身のチカラが入らなかったくらい。
靴下の上からなので肌に直撃ではないのですが、なぜか皮膚がはげて流血。
でもまあ男の子だし、こんな傷は唾をつけときゃ治るだろうと思って、
とりあえず消毒して家にあった軟膏をつけて自然治癒を待っていました。
そんなこんなで、しばらく普通に歩いたり、仕事したりしていたわけです。
傷は足の甲なので、歩いて靴が擦れたりするとそれなりに痛かったけれど、
まあ我慢できないほどではないので、早くカサブタできて!と祈りつつ。
ところが切ったところは全然良くならないし、痛みはだんだん増してくるし、
金曜日には仕事中にちょっと歩くのもキツいって感じになってきて、
こりゃあヤバいなってことで、仕事後に夜間急扱いで外科に直行しました。
診察の結果、肉がむき出しになっている所からバイキンが入って、超化膿、
骨には小さなヒビが入っているということで、お医者さんにはなぜもっと
早く来なかったんだと怒られるわ、夜の病院は不気味だしで、散々でした。
足は体の一番下にあって血が全部たまるところらしくて、小さな傷でも
バイキンが入ると厄介で、放っておくと大変なことになるそうです。
本当の本当に最悪の場合、ヘタすると、足を切断なんて場合もあるそうで。
僕の場合はそこまでじゃなかったけど、糖尿病の人とかは特に大変みたい。
とまあ、そんなこんなで全身を消毒するため抗生物質の点滴を受けることに。
薄暗い夜の病院の静かな処置室で、大のおとながネクタイを締めたまま、
足には包帯を巻かれ、腕には針を刺されて、看護士さんのされるがままに。
街は週末、金曜の夜に俺はひとり病院で何をやってんだと思いましたよ。
僕は幸運なことに何だかんだで体は丈夫らしく、あまり大きなケガや病気は
これまでしてこなくて、病院に行くのは結構レアな機会だったりします。
それで、点滴を打たれながらこの前最後に点滴を打ったのはいつだろう?
と、ぼんやり無機質な病院の部屋の天井を見上げながら考えていました。
そうしたら思い出した。最後に打ったのは高校3年生の大学受験の時でした。
本命の早稲田の入試の直前に、風邪だったかインフルエンザだったのか、
はたまた極度の緊張かプレッシャーか、原因は本当に謎だったんだけれど、
ものすごく具合が悪くなって、医者に連れていかれ、なぜか点滴を打った。
それで、あのとき点滴を打ったから今の自分があるのかもしれないな、
とかひとりでボーっと考えていて、点滴が終わるまでの30分くらいの間、
なんだか久々に色んなことを思い出していました。
でも、それは、結果的に大学に受かったからとかそういうことじゃなくて、
なんというか、色んな理由で点滴をたまに打たれる人ならわかると思うけど、
あの点滴を打っている数十分間って、普段元気に暮らしている人からすると、
絶え間なく忙しなく進んでいく人生の時間に思いがけずポッカリ空いた、
時間の空白っていうか、とりあえず一旦、自分の時が止まるわけですよ。
まあ飛行機とかの移動を別にすれば、ああやって自分の自由がきかない
固定された時間というのは、普段あまりないんじゃないかと思うんです。
しかも半強制的にある意味拘束されているんだから、自分の意志がなくて
何もすることができない、体も動かせないという不思議な時間。
昔の職場によく点滴を打って出社する人がいたけど今ならわかる気がする。
でも変な話ですが、点滴を打ってもらって色んな意味で気持ちよかったです。
わずか30分ほどの間だけど、久々に完全に時を止めることができました。
って、お前は休日とか、充分リラックスして何もしないをしてるじゃないか、
とか、結構普段も何だかんだで、ゆるくゆっくり生きてそうじゃないか、
と思う人もいるかもしれないけど、やっぱり完全な時間停止はないですよ。
カレーは一晩寝かしたほうがうまかったり、うめぼしも何年も漬けたものは
味が染みてより味わい深くなったりします。ワインも年代物が美味しいし。
それと同じで、僕たち人間は現実的には死んじゃうから不可能だけど、
一旦人生の時を止めるというか、スイッチを切る時も必要なのだと思います。
受験の時は、もう本当にラストは脳がオーバーフル稼働してた気がするし、
点滴を打っていた時間で、知識や記憶を体に染みこませたとも言えて、
おとといの点滴でも、色々とここ数年動き続けた自分の脳みそを休めるための
時間だったのかもしれない。寝かして何が生まれるかはまだわかりませんが。
まあそんな感じで、つかの間の休息。間奏のような中休みのような時間。
でもまだとりあえず足は痛いし、仕事は忙しい時期が続いて休めないしで、
現実は全然優しくはないですが、なんかすごくいい時間だったんですよ。
新年早々に長引く風邪を引いたり、怪我をしたりと、滑り出し微妙な今年。
今年の目標である『健康第一』が早くも1月から守れないでいますが(笑)、
なんだか色んなところで、僕の人生が再びちょっとずつ動き出してきている
ような気がする今日この頃。おそらく “きざし” は悪くはない、と信じたい。
とりあえず明日、朝イチで消毒に行ってきます。
病院混んでないといいなー。
ちょっと長い現実的な近況報告でした。
しばらく温泉には行けないよ!
おしまい
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