(皐月賞トライアルの若虎杯当日)





「これしかないデス・・・!マルゼンエッジに勝つにはこの戦法しか・・・!」






「マスター。今日の若虎杯も、グインとスーパーキッドのあの戦法を試すんですか?」 

「その通りデス、沖田クン。」

「チャンピオン杯ではマルゼンエッジに届かなかったデスガ、結果的に2着でしたからネ!あの”金ヶ崎の戦い”を極めることがエッジに勝てる唯一の方法なんデス!」

「そう何度もうまくいきますかね・・・。」


「それより、そろそろ1レースの新馬戦が始まるみたいネ。まあ、”あの馬鹿”には期待してマセンガ・・・。」

「オカダトップガン、ついにデビューですもんね。素質はありますし、僕は結構やると思いますよ。」

「1コーナーで、”ばんばのカツ”を振り落としてジ・エンド、デスヨ。」

「それは勘弁してほしいですね・・・。」


阪神1Rは3歳新馬戦、芝1600mで争われます。一番人気はアリスサイレンスで二倍。さあ、各馬ゲートインが完了・・・

おっと?!ああっ!ゲート内で暴れてる馬がいます!あれは・・・9番のオカダトップガンですね。危ない危ない、あ!鞍上の西郷騎手が振り落とされました!

「ウワアアアアアア!」

これはいけない、オカダトップガン。どうやら、オカダトップガンは外枠発走に変更される模様です。発走時刻は5分遅れる見込み、今しばらくお待ちください!

「あれが神戸の馬だとは・・・。は、恥ずかしい!」

「有田、言うな・・・。」






さあ、お待たせしました!体勢完了して、今スタートしました!



おおっと、いきなり大きく出遅れたのは、9番!オカダトップガン出遅れた!さあ、まず先頭に立つのはアリスサイレンス、アリスサイレンスが行きました。

その後はティーチングペペが押して上がっていきます。アルファが三番手、ラヴソングが続きまして、ロシアンルーレットが外目、レオナルドサンデーが控えて行って、カズキチタローも後方。そして最後方がマリッジチャンプ。






・・・


おっと、最後方からオカダトップガンがまくってきた!馬なりのまま一気に、一気に先頭集団に取り付いてきました!これは驚き!オカダトップガンがあっという間に先頭を伺う位置!


先頭はアリスサイレンス、二番手、掛かり気味にオカダトップガン!そしてティーチングペペ、岡辺鞍上のアルファがいて、その後ろにラヴソングがいます。ロシアンルーレットは中団あたり、カズキチタローは後方から二番手を進みます。

・・・

さあ、第四コーナーに掛かりまして先頭はここでオカダトップガンに変わった!先頭はオカダトップガンであります。レオナルドサンデー、カズキチタローあたりも徐々に差を詰めてきますが、まだ先頭からは距離があります。

さあ、先頭はオカダトップガンだ、直線に向いて、先頭は堂々とオカダトップガン。ティーチングペペは後退、変わってアルファが来ているが、オカダトップガンが離した!

オカダトップガンが先頭!さあ、後方からは何が来る!カズキチタローが来るか、カズキチタロー。 カズキチタローは大外に持ち出して追い込んでくるが、先頭はオカダトップガン!まだムチは入っていません!

オカダトップガンが先頭!アルファが追ってくるが、差は5馬身!まだ5馬身あります!後は、カズキチタローが来ているがこれは届きそうもない!

オカダトップガンだ!オカダトップガン、オカダトップガンが一着で、今ぁゴールイン!







「ウワアアアアアア!」



オカダトップガンが一着、勝ちタイムは、1:35:2。なんとなんと、大きく出遅れたはずのオカダトップガンが圧勝!父・マヤノトップガン、母ミスピーチ、オーナーは神戸ホースクラブです!


「多良崎、おめでとう!やったな!」

「し、信じられん・・・」

「なんてヤツだよ、こいつはとんだ掘り出し物だぜ。」

「夢、じゃないよな?」

「ああ。こんなド派手なデビュー戦ははじめて見たぜ。ホラ、さっそく記者たちもこっちに来たぞ。」

「神戸さん、すごいレースでしたね!少しお話を聞かせてくださいよ!」

「いやぁ・・・。」

「ホレ、ちゃんとしゃべれ!多良崎!」

「では、オッホン・・・。この勝利を、阪神大震災で被災された神戸の人々に捧げたいと思います。」

「阪神大震災ですか?また懐かしい・・・」

「懐かしい?そう、あんたたちにはそう思えるかもしれないな・・・。でも、あの出来事は決して風化させちゃいけないんだ・・・。」

「多良崎、おまえ・・・。」










「まあ、堅い話は抜きにして、またターフを沸かせてくれる馬が出てきたってことかな?」

「そうですね、”まともに走ったら”どれほど強いのか・・・。これは楽しみな1頭が出てきたなぁ!」

「へへ、あのヤングガン(やんちゃぼうず)を、まともに走らさせるのは大変だぞ。」

「有田、それを言うな・・・。」


(つづく)