トレセンの駐車場に1台の車がとまり、ドアが勢いよく開いた。





「チッチキチー!」

「こら、くるみ!危ないから急にとびだしちゃダメだよ!」

「グリにあえる♪グリにあえる♪グリにあえるー♪」


「こ、こらー、待ちなさい!!」

有田の愛娘・くるみは、北海道のセリ市で出会ったあの若駒と、
再会できることが嬉しかった。前夜も興奮してあまり寝むれないでいた。


(ドスン!)




「イターイ!」

勢いよく駆け出したくるみは、前を歩く一人の夫人にぶつかった。

「ホラ!ちゃんと前を見ないからだぞ!ス、スミマセン お怪我はないですか?」


有田がすかさず駆け寄った。


「ええ、私は大丈夫よ。それより、おじょうちゃんは大丈夫?」


「うん、おばちゃんゴメンなさい!」


そういってたちあがったくるみは、また一目散にかけだした。


「チッチキチー!」



「クスクス、元気がよくてよろしいですね。」

「いやあ、母親譲りのはねっかえりで、手を焼いてます。」

「それでは、私はこれで。」


「失礼します。」


「グリ、こんにちは!」


「ボー (-。-)」


「あれれ?くるみちゃんのことわすれちゃったのー????」


「ボー (-。-)」


「う・・・うるうる」


「ボー (-。-)」

「おや、お客さんかな?どうしたのおじょうちゃん?」


「おにいちゃん、グリが・・・」


「グリ?ああ、グリーンワールドに会いに来てくれたんだね?」


「・・・。」


「こいつはグリじゃないんだ。グリは向こうにいるから、おにいちゃんが連れて行ってあげるよ。」


「このこはだあれ?」


「バックレオヤジっていうんだよ。もう歳だから、目が悪くってね。。。」


「しょーなんだー。」

「お、いたいた。」


「あ、有田さんこんにちは。」


「沖田くん。突然きちゃってすまないね。」

「はやくグリにあわせてよー」


「おっと、ゴメンゴメン。向こうの馬房にいるよ。」


「やったー!しゅっぱつしんこー!」


3人は隣の厩舎に移動しようと表に出た。すると、

「あ、目白さん!こんにちはー。」


「あー、さっきのおばちゃんだー!」


「あらまあ、おじょうちゃんは沖田くんところのお客様だったのね。」


「め、目白さんって、もしかして・・・」


「あれ?有田さん、目白美智子オーナーをご存知ないんですか? 

 あの”メジロの総帥”ですよ!。」


「ええええええええ!(((゜д゜;)))」

(つづく)