*カープを選んだ理由*
初めての海外ダイビング。しかも海外一人旅。なのにたいして考えることもなく、雑誌でパラオ特集をやっていたからという安易な考えでパラオに行く決心をした。どうやらパラオでは3つのダイビングスタイルがあるらしい。
・首都のコロール滞在でアフターダイブでも盛り上がる。
・ダイブクルーズでガンガン潜りまくる。
・カープ島、ペリリュー島などの離島に滞在してのんびり過ごす。
一人旅の一番の悩みは夜の食事。旅先で気の合う人がいればいいが、そうでない時は一人で食べなければいけない。日本なら一人でラーメン屋に行くのも平気な私だけど、海外で一人はさすがにつらいものがある。ダイブクルーズならイヤでもみんなで一緒に食べないといけないから諦めもつくが、あんな狭いところに1週間近くもいられるか心配だ。となると、残るは離島滞在。カープかペリリューか・・・。ブルーコーナーに一番近いのがウリのカープに決めた。
←リゾートといって期待してはいけない。
*いよいよカープへ*
朝7時にホテルでピックアップ。コロールからボートで40分。日本人の男女(カップルだと思っていたがそうでないことが判明)と、ヨーロピアン3人と一緒になる。ロックアイランドと呼ばれるパラオ独特の島々の間を通り抜けカープアイランドに到着。
着いて早々荷物を預けすぐにダイビングに出発。ショップのツアーで来た人たちはショップ毎に船を割り当てられていて、一人で来た私は外国人ゲストの船に振り分けられた。当然ガイドも外国人でパラオ人のデニスとオランダ人のロバート。デニスがカタコトだが日本語がしゃべれるのでブリーフィングは問題なかった。
パラオの島は石灰岩でできている。→
*パラオの海*
チェックダイブはタートルコーブ。チェックダイブにはもったいないぐらい贅沢なポイント。さすがパラオ。ドロップオフって楽しいね。底が見えないせいかサメがうようよいるせいか妙にドキドキする。期待していたブルーコーナーも素晴らしかった。魚群&大物好きにとってはたまらない。次から次へと流れに乗って群れがやってきて、その群れに向かってサメが突進する様子に大興奮。
←ダイブハウスの中。寝るためだけの部屋。
*カープアイランドリゾート*
カープはブルーコーナーを発見した岸川氏が開発した島。リゾート以外には何もなく、カープに滞在する人はみんなここに宿泊する。建物は開発当初オーナー自らが造った食堂とダイブハウス、後に建てられたコテージが何棟かある。電気は自家発電、水道は海水をろ過し、お湯は太陽の熱で温めるといったまさに「ナチュラル」なリゾート。だから、水はちょっと塩気があるし、お湯も使い切ると出なくなる。昔は電気もなかったから夜はランプの明かりで語り合ったらしい。日本にいるとこんな生活はできないのに、ここでは全然苦にならない。不思議。
夜はバイキング形式で日本人の口に合うものばかり。刺身が出ることもある。酢だちを絞って食べるとめちゃおいしい。ダイビングで仲良くなった人たちとログをつけながらビールを飲む。これが一番の幸せだよね。
一人で来る人はたいていダイブハウスを利用する。2人部屋と4人部屋があり、ゲストが多い時は相部屋になることがあるらしいが、ピークシーズンなのに余裕で一人で泊まれた。年末年始以外はこんなもんだろう。もちろんエアコンはないが、コロールとは気温が全然違うのか夜は涼しい。シーリングファンや扇風機があってもほとんど使うことはなかった。
変な形のヤシの木を発見。→
*カープの不思議な住人*
カープにはリゾート以外に何もなく、ゲストとスタッフ以外には人は住んでない・・・はずなのだが、実は一人だけいるのだ。マークはもう20年近くカープにいて絵を描いている。島の反対側のジャングルにちっちゃなアトリエ兼自宅を建てて住んでいる。
カープ最終日の夜、食堂でログ付けをしながらビールを飲んでいると、ゲストのおじさまに「おーい、キミたちこっちのテーブルに来ないか?」と誘われたテーブルにいたのがマークだった。「こいつ面白いやつだから、話聞いてやってよ!」って言われてもいきなり何を話せばいいんだよ。しかも外人だぞ!
とりあえず、何してる人なのかとかなんでこの島に住んでるのかとか当り障りのないことを話した後、彼が1枚の紙をくれた。前にやった個展の招待状なのだが、裏に彼の作品がプリントされていた。パラオに住んで絵を描いてるんだから、ラッセンみたいな綺麗な海の絵なのかなと思っていたら、全然想像もつかないような絵だった。いろんな曲線と直線が重なり合い、細かな模様やありとあらゆる色を使って描かれたような不思議な絵だった。
翌日帰り支度をしに部屋へ戻る途中、マークに出会った。今日コロールに帰ることを告げるとちょうど彼も用があってコロールに行くという。アトリエを建て替える為建材を買いに行くのだ。ボートで隣同士になり、そこでもいろいろ話をした。そして、コロールに着いた後、一緒に夕食を食べないかと誘われた。お土産などの買い物を済ませてホテルへ戻ると、マークが迎えにやって来た。
ガスも水道も(彼の家には電気も)ない島で、毎朝自分で釣ってきた魚を食べて日が暮れるまで絵を描く生活。描き終えた絵を携えてアメリカやヨーロッパなどで個展を開き、売れたお金でバリの家に滞在したりいろんなところを旅するそうだ。もっともっと有名になってたくさんお金を稼ぎたいんだと一生懸命話す姿が印象的だった。聞く話すべてが新鮮で、あっという間に帰る飛行機の時間が迫っていた。また会えるといいねと言って別れたけど、なんだかきっとまた彼には会えるような気がしていた。
初の海外一人旅で初めは不安だらけだったが、思い切って行ってよかったな~とつくづく思う。出会った全ての人には感謝の気持ちでいっぱいだ。私にとっては人生観を大きく変える旅になった。
・・・Palau Carp Island Resort 2005に続く



