小走りに帰り道を急ぐと
少しからだが熱くなった。
アパートのエレベータは壊れている。
階段で5階までは辛い。
完全に息が切れた。
鍵を開け中に入ると
ミシュウが言った。
『早かったのね』
眼の焦点があっていない。
右手にドナルドのぬいぐるみ
左手にフォークを持っていた。
それで俺を刺すつもりなのか?!...。
「今日はこれだけだ...」
ポケットから無造作に床に投げつけると
ミシュウはフォークもドナルドも放り投げ
その包み紙に視線を向け
身体ぜんぶで貪った(むさぼった)。
俺たち、どうしてこんな風になっちまたんだろう?!
ファーストサウスは嫌な街だ。
全ての人間が欲望を金で満たす。
昔は違った。
規律があり
伝統があり
優しさがあり
笑顔があった。
いつから変わっちまったんだろう?!
『ルウジュ!あんたもやる?!』
「あぁ..」
ミシュウは腹を満たした獣のように
ベッドに横たわると
満足そうに緩く笑った。
デジタルクロックは
21:09.
そして俺も同じ様に。
注射針からあふれる液体が
ゆっくり体内に入ってくるのを感じながら。
溶けていった...。(続)