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フランドル絵画が好きです。
と言っても、主にピーテル・ブリューゲルとヒエロニムス・ボスが好きなので、なんと言うか、ミーハー的な感じが無きにしも非ず…なのですが!

今まで結構色々ヨーロッパの美術館や博物館へ行って来て、その中でグッとくるのが案外フランドル派だったりして。
それに兄が3年ほどブリュッセルに住んでいて、兄を訪ねて行った時に小さな美術館や教会で観たものなどもあって、なんとなく親近感を持っているのです(2回しか行ってないのに💦)。

聖ウルスラの遺物がある美術館(?だったか記念館のようなものだったか教会の一部だったか記憶が不確かです)で、ボスの「快楽の園」に似た3面の祭壇画を観たのですが、今思えばあれは模写だったのかも。
なんと言うか、勿論本物の「快楽の園」だと思った訳ではないのですが、画風があまりにも似ているし、かなり立派な額装がされていて、キチンとした施設に展示されていたから模写だとは思わなかったんですよね。


今日の展示で

ボスが死後も人気があまりにも高かったので、彼の工房ではその後も彼の画風に巧妙に似せた作品が作られていて、長らく本人の作品だと思われていたものが、工房の作だと分かったものがある、

他にも沢山の画家が彼の画風を模倣していた

ブリューゲルも彼の模倣をしていた



ということを知りました。


知らなかった〜。
ブリューゲルさん、ボスに似てるとは思ってたけど、模倣だったとは〜。


私がちょっと夢中になった、

お隣の西洋美術館にある

聖アントニウスの誘惑」

も、似てると思ったら模倣なんですね、きっと。
でも今日の展示にあった他のボスの模倣の版画よりも、
私はやっぱり西洋美術館のが好きです。


それに、ブリューゲルはやっぱりブリューゲルなんですよね。
私はブリューゲルの寓意画や宗教画が好きです。

ボスやブリューゲルの何が好きなのかというと、

緻密かつ奇想天外なところ、

なのではないかなと思います。


今回の「バベルの塔」も、

旧約聖書の中の、驕れる人間への神の戒め

と言うよりは、

人々の活き活きとした営みが描かれていて、

それが「天に届くほど」の塔を作ろうとした人間の
思い上がりと言うよりは、

コツコツと塔を積み上げ
(上の方が赤く、下の方が暗い色なのは、年月の経過を表しているらしい。)
その中で、普通に生活している、人間の普遍の姿を描いている、
(左の方の赤と白の線は、レンガを運ぶ様子と、しっくいを運ぶ様子が描かれているから)


或いは解説で言っていたように、人間賛歌なのかもしれない。



ところで、今回の「バベルの塔展」

若干内容が薄いと感じました。

目玉の作品がある場合、仕方ないとは思うんですよね。

ブリューゲルの作品なんかは貸し出しが難しいらしいですし。

「バベルの塔」展、とは言え、ブリューゲルやボスの作品をもっと観られるかと期待して行ったら、

ちょっと拍子抜け。

御多分に洩れず、「大変混雑しています」な状況で、

肝心の「バベルの塔」も、立ち止まってゆっくりみることも叶わず。

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「ネーデルランドの諺」

こういう「いかにもブリューゲル!」っていうのを期待してたんですけどね〜。

小品や版画でも、「こんなのがあったのか!」という発見とか。

好きな画家なら、画集なりネットなりで、
有名なものは一通り押さえてますよね?
実際に現地で生で観たものもあるでしょうし。

勿論本物を生で見ると、筆致や、質感、

「こんなに小さかった(大きかった)んだ‼️」等含め

作品の持つオーラのようなものを感じることが出来るので
決して無駄ではないし、

ヨーロッパの名だたる美術館なんかと企画展を比べては申し訳ないけれど、

今回はちょっと感動薄だったかな〜、と。

とは言え、2時間近く鑑賞していたので疲れました。

西洋美術館で「アルチンボルド展」もやっていたし、

常設展の「聖アントニウスの誘惑」も観たくなったけれど、

疲れてお腹が空いたのでまた次回ということに。


アルチンボルドを最初に観たのはどこだったか。
一度観たら忘れられない絵ですよね。
ただちょっとグロテスクと言えなくもないので、観る時の状態によって、

「面白い!凄い!」

となるか

「なんかちょっと気持ち悪い…」

となるか、分かれる気もします。

でも緻密であることは確かで、
ここにはこんな果物が…等
発見と感動があることは必至と思います。


以前企画展を観たついでに、
せっかくだから常設展も観ておこうかな、
と思って観た常設展が思いの外良くて、

国立西洋美術館、侮れません。
(何故上から目線💦)