つづきです
そんな、ある日
松波という男が金を借りに来た
歳は45~50くらいで、チンピラ風だが
自称会社経営者という・・・・
松波は手形の割引で500万欲しいと言ってきた
手形の額面は550万で期日は3ヶ月後だった
500万はね~だろ?おっさんと思った。
松波に申し込み用紙に記入させてる間に
電話で手形振出の銘柄と額面の金額、支払日を
大手金融機関に調べてもらった
金融機関の担当者
『この銘柄は割停(社内割引停止銘柄)ですよ』
つまり、金融機関は当然ながら、街金でも割引不可能・・
簡単に言えば・・・間もなく倒産しまっせ・・・ということだ。
この野郎!パンク手形掴ませるつもりだな!
まあ、松波がパンク手形って知っているのかどうなのかは
どうでも良く、とにかく丁重にお断りだ・・・・
ここの大手金融機関がダメなら、日本中探しても
手形の割引をする奴はいない。
色々やっているうちに申し込み用紙に記入が終わっていた。
金は出すつもりは無いが、形式上、一応、見てやるか・・・・・
オイラ『松波さん?住所がさ~東京都・・・・・
あと・・・・字が読めね~よ・・・・・』
松波『あ~~~南区ね・・・』
オイラ『東京に南区なんてね~よ・・・・
ちょっと~今日は帰ったほうがいいよ・・・ね』
松波『南じゃなくて、み・な・と』
嘘つけこの野郎!!!みなみってハッキリ言っただろうが!
オイラ『じゃあ、印鑑証明出して・・・』
松波は黙っている・・・・
オイラ『やっぱり、今日は帰ったほうがいいよ・・・』
突然、松波の態度が変わり・・・
松波『ココって、どこの組織が面倒みてるの?』
私はそういう業界のひとですよ~って ご挨拶だ
オイラ『はあ?ココは、普通の金融業者ですよ・・・・
ほら、ちゃんと登録してるでしょ?』
闇金とは言っても、
ちゃんと都道府県知事の許可は取っている
松波『そんな事は聞いちゃいね~よ。
こんな所で金貸しやってもらっちゃ
困るんだよ・・・なあ?兄ちゃんよ』
本題はここから・・・・あわよくば銭を引っ張ろうとしただけだ。
松波は急にヤクザ映画のワンシーンの様に
立ち上がり、ポケットに手を入れて
クネクネ、ウロウロしている・・・・
こういう奴は面倒くさい・・・・
オイラ『松波さん・・・・今日は金借りにきたんじゃないの?
ウチはヤクザに金は出さないですよ
松波さんは、コワ~イ業界の人なの?』
まずは、松波がどこの者か知る必要がある・・・・
かなりカチンときていたが、相手に名乗らせるのが先だ。
その後、きっちり見舞金を頂こうと思った。
松波『はあ?こういう者だよ』
松波はあっさりと組織の名刺を出した・・・
○○会 松波銀次郎
○○会は、広域指定暴力団の名前だった
しかし、その後は何も書かれていない
つまり、○○会○×一家×○組××会・・・・・
と、正式に記入すると、自分の名前が名刺に
書けなくなってしまうのだ。
これで、オイラの組織とは関係ない事が分かった。
しかしコチラの看板も聞かず、
あっさりと、自分の看板を出してしまう所をみると
素人相手の小遣い稼ぎだ・・・
オイラ『じゃあ、近いうちに、松波さんの所に
菓子折りでも持っていきますよ・・・
場所知らね~けど・・・・』
松波『おい、それじゃ~帰れないだろう・・・なあ・・
馬鹿にしてんのか!若造が!』
こちらの看板を出せば、1発で引くのだろうが
オイラは組織に内緒でやっているし
枝の枝なので看板を出す必要もなかった。
オイラ『松波さんさ~。そんなに大きい声出されてもね
こっちは素人だしね・・・これじゃあ~恐喝ですよ?
もうすぐ、デコスケ(刑事)が”昼飯たかり”に
ココに来るから帰れなくなるよ・・・ね・・・
そのボールペンあげるからさ』
松波『なんだと!!!!!クソガキ!!!!!』
ピーンポーン
すごいグッドタイミングでインターホンが鳴った。
実は、いつもの様にサチが昼飯をたかりに来たのだった。
返答がないので、サチはボタンを連打し続ける・・・・
いつもは、イラッとするピンポン連打だが
この時は、デコスケが朝一にキップ(逮捕状)を持ってきた時を
連想させるほどの連打だ・・・・・。
松波『おい、ナメルナヨ!オレは全力で潰すからな!!!!』
Vシネマか?というくらいカッコイイ捨て台詞を置いて
松波は出て行った。本当にデコスケが来たと思ったらしい。
非常階段を勢い良く駆け降りて行くのが分かった。
入れ替わりでサチが入ってきた
サチ『お客さんだった?』
オイラ『ん?こわ~いヤーサンが来たよ』
と言ってサチに松波の名刺を見せた
サチ『わ~~お。この人、ヨシノリの兄貴分だよ・・』
もっと、面倒くさい事になった・・・・・
つづく