ぼくが東京に来てから仲良くなった友人が一人いる。
その友達はいわゆるボンボンで、いかにも真面目といった感じの根はいいやつ。
ただ、彼は過去にかなり辛い経験をしたみたいだ。
あることをきっかけに周りが敵だらけになって、それがかなり長いこと続いたそうだ。
彼はその過去がトラウマとなっているようで、自分に自信が無いみたい。
確かに、話を聞いていて、それは本当に辛い経験だし、忘れられるものではないと感じた。
ただ、その経験をどう捉えるか、本当にこれによって、
将来に渡って使い続けられる財産にもなれば、苦しい辛いきついと言いながら背負い続ける借金にもなると思う。そして、無かったことにもなりえる。
僕はタイトルの通り、経験の捉え方には三通りあると感じた。
たとえば、僕が高校の時の部活動で、全く結果が出せず、三年間先生からずっと嫌われて、しばき上げられていた経験を例にあげてみる。
一つ目の捉え方はネガティブ思考。つまり「経験」を「借金」と交換する方法。
「あの時、違う部活に入っていれ
ば。」
「あの先生がどこかに異動していれば」
「俺にもっと才能があれば」
そんな仮定法過去を使いながら、全く生産性のない時間を費やす。
そして、その経験に縛られて、現在の自信をもなくしてしまう。
過去がズルズル未来にまでマイナスの影響を与え続ける。
二つ目の捉え方は能天気なポジティブ思考。つまり、経験を±0の無かったものにしてしまう方法。
「まあ、別にもう過ぎたことだしいいや」
「まあ、人生山あれば谷ありだし」
といった感じ。
過去を立ち切れているため、マイナスの影響はないものの、未来に対して特にプラスの影響もない。
最後の捉え方は、クールなポジティブ思考。
これが経験を財産に変える唯一の方法だと思う。
「あの時の経験で、どんなことでも耐えられる忍耐力が身についた!」
「あの時の経験で、人の痛みがわかり、思いやりが身についた」
「苦手な人への接し方がわかった!
などなど。
こいつは過去のマイナスをプラスにまで転換できていて、将来を通じての財産になると思う。
こんなことは多くの人がわかっているし、知っている。
だけど、それが実際にできている人がいかに少ないだろう。
「経験」という物事から、
「好きな金額を書いていいよ」
と言って渡された小切手に、マイナスを書いてから高い金額を書き込んだり、
「いや、別にいらないです」
と言って突き返す人が世の中にはごまんといるのではないか。
偉そうに言っている僕は、今までもそうして来たつもりだし、これからも
「最高のプレゼントをありがとう」
と言って、小切手に+の0をたくさん書き込んで、一生の財産にしていきたいと思う。
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