十五夜間近の折も折
秋の訪れに流れ行く幾年月を想い送りつつ

雲間から覗く月を肴(さかな)に『ぐびり』と燗をやる。


そんな弛(たゆ)み感 とは裏腹に

腹の底から沸き上がって来る『何か』…

それは

『衝動』とも言うべき感覚。

『飢え』であり
『欲望』であり
『渇望』である。

己が未熟さ加減に天を仰ぎ見ると

すっかりとその姿を現した丸いお月様…


『まるで狼男だな』


思考回路まで酔いで箍(たが)が外れ始め

月明かりか酒の力か

根源という奴が無遠慮に這い出して来る。

どんなに浅ましくとも

どんなに短絡であっても

それが源(みなもと)である以上

飲み込み消化しきれずに

月夜の折りに這い出す。


『いいじゃないか』


月夜の狼男は

己の『青臭さ』を肴に

今日も『ぐびり』とやるのである。



毎年恒例の事だが

繁忙期が終わり社内の各部署が一斉に『お疲れさん会』と称して打ち上げを始める。

年末商戦前のほんの一息である故

この時ばかりは自己脅迫観念の塊のようなボス(失礼)も何も口を挟まない。

戦い傷付いた狼男と狼女達が鋭気を養う時期でもある。


我が部署も昨日遅くまで打ち上げがあり

わたくしは朝帰り&まったく記憶無し。

向かいに座る総務の四橋さん(三十路の美人妻)も恥じらい気味のあくびを禁じ得ぬ様子で

潤んだ瞳とやや放心気味である。

パソコンに向かうわたくしの盗み見を見透かすかの様に四橋さんが『ぽつり』と呟く…







『昨日は・・・・凄かったですわね』





なっ何がっ

すっ凄かったっ のでっ

ごっございましょうかっ!?

『羊の皮を被った狼』にございますかっ!?

はたまた『連敗明けの阪神の底力』にございましょうかっ!?


『おまえは虎だ!虎になるのだ!』

行け行けタイガー

リーグ優勝目前にございます(^^ゞ