灼熱にゆらゆらと浮かぶは

砂上の楼閣にも似た

遥かに届かぬ悠久のミラージュ…

決して辿り着けないあなたの王国は

手を伸ばした瞬間に音も無くすり抜け

澄まし顔でゆらゆらと微笑を湛えている。

追う程に窶れ果てるその身をけらけら嘲るが如く

『苛み足りぬ』と言わんばかりに

ゆらゆらと揺れて無慈悲に誘う。

掴んだ錯覚は歪小な夢のメタファであり

掛け替えの無い『時』と『己』を対価に

二乗倍に均しい速度で

はらはらと崩壊する。

押し付けのグローバルなスタンダードなど

ゆらゆら揺れる曖昧なアイデンティティにして

量子としてのあなたはゆらゆらとして

速度か位置のどちらか一方でしか無いとしても

マクロに於いては唯々風景に塗り込められる

ゆらゆらとした事象に過ぎない…としてもだ


最近『失うこと』に

あまりにも慣れすぎやしていないか…






ゆらゆらと揺れるキャンドルのむこうから

らんらんと見つめる双瞳には焔が映り

彼女の大きな瞳はきらきらと極彩色の光を放つ…

まるで獲物を値踏みする手練のハンター
であるかの如く

『いざ狩らん』とばかりに

大きく開いた胸元を妖艶に強調する。

(『…こりゃ火傷しそうだ』)

独りごちた後ひたすらにワインを痛飲し

ふらふらと立ち上がる。


彼女に気付かれぬ様にフロントにたどり着き

人差し指を交差してチェックを求める…





『四季の特別コースをお二人様とシャンパン、赤、白それぞれボトルご注文頂きまして、締めて2万5千円にございます』


にこにこと愛想の良い店員が言い放った言葉に

頭はくらくら

体よろよろ…である。


やんごとなき『罪と罰』の報いの末

『何でも奢る』とは言いましたがね

ヒエラルキ最底辺『お小遣制』のわたくしには

少々荷が重うございましょうぞ。




嗚呼いっその事

ゆらゆらと揺れる蜃気楼に

成って仕舞いやがれでございます(^^ゞ