外気が遮断され

冷気で底冷えする霊安所の如き部屋の中で

幾千もの物言わぬ骸達が

虚ろなガラス玉の如きその眼(まなこ)で

空(くう)を睨む。


まるで

全ての『生ある者達』を呪い尽くし

新たな贄(にえ)を求めるかの様に。


屍(しかばね)は無惨に晒され

ある者は眼をえぐり取られ

またある者は腹腸を抜き取られている。

皮を剥がれ…

引き裂かれ…

奥の方にはミイラ化した死体が綺麗に並べられている。


奥の小部屋から

この霊安所の番人と言ううべき

『死体の処置係』が

先程から満面の笑みでこちらを見てくる。

黒革の如き前掛けと膝上まである長いブーツ

手には大振りの鋭い刃物が握られており

あろう事か

ちょうど死体を切り開き

頭を落として腹腸を取り除いている最中であった。


赦されざるその蛮行に

吐き気を催す私に向かって

『処置係』の男が近寄り声を掛ける…



『いつも有難うございます。刺身用に活きのいい鯵(あじ)入ってますよ』


そう…


ここは『会員制の元外資系大型スーパーマーケット』。

その品質と価格から

一般消費者のみならず

わたくしの様に業務用としてのニーズもある。


お目当ての食材を購入して

帰る車中のナビ(TV)から流れる

愛らしい『CMソング』…




『ぽ~にょぽ~にょぽにょ魚の子♪』



あい

今日は魚は食べません(^^ゞ