『このまま倒れる訳にはいかない』

迫り来る絶望の予感に

声にならない言葉を心の中で噛み締める


『奴』が来る。

その姿は閉ざされた瞼にしか映らず

人はその力に抗う術(すべ)を持たない

ただ成す術も無く

その漆黒の闇に飲み込まれるのみ


…その名は

『リビング・デッド』

『生ける死者』というアンビバレンツ(二律背反)に満ちたその意訳は『奴』の邪悪な本質を表すに能(あた)わず

その無慈悲かつ、絶対的な『暗闇』と言う名の恐怖に

あまりに瑣末な『人智の燭(ともしび)』をあて得るとするならば…



『午前様で帰宅、応接間(リビング)で寝そべりアメブロに勤しんでいるうちに意識を失い死んだように(デッド)寝落ちする』


つまり

『リビングでアメブロしながら死んだよう(デッド)に寝落ち』


『リビング・デッド』


これこそが『奴(やつ。やっこでも冷や奴でも無い)』の正体である。


朝の5時

リビングの冷たいフローリングの上で目覚める

手には開いた携帯電話が握られたままである

扉の開いた寝室の奥から

妻の咎めるとも蔑むともつかない視線

『仕事で疲れてて…』

携帯電話を隠しながらばつが悪そうに答える私に

妻が一言


『成長したじゃない。昔は玄関だったものね』


あい

今日こそお布団で寝ます。


なんせ

『七夕』ですからね(^^ゞ