刹那の煌き・見舞い
寝苦しい夜、夜中に暑さで目を覚ます。
2階の自分の部屋から1階のリビングへいき、冷蔵庫から麦茶を出す、グラスについで飲む。
よく冷えた麦茶はすっと胃袋まで落ちていき、暑さは少し和らぐ気がする。少しだけ眠気も和らぎ少しぼんやり物思いにふける。
夏、というと山や海、バーベキューや花火、それらのお楽しみは他の季節の楽しみに比べると楽しいけど一瞬、でもその一瞬のは他の季節にない華やかさがある。そう、夏の夜空の花火のように、刹那の煌きとでもいえばいいのか…
今年はそんな楽しい行事もなく少し寂しい日々。お誘いもなく、自分で企画しても結局予定が合わなかったりと散々、自分だけが空回りしてる感じ。残念なんだけど運、あるいはツキ、そういうものにすっかり見放されてる感じなのだ。
今はじっと耐えるときなのかもしれない。下がれば次は上がるはず。
~お見舞い~
今日はばあちゃんの見舞いに行ってきた。
ばあちゃんの入院してる病院は会社から来るまで30~40分位、通勤、帰宅ラッシュだともう少しかかるか。
この病院は子供の頃、母親が入退院を繰り返していたので何度も足を運んだことがある。幼き日の僕にとっての母はなくてはならない存在であり、突如、病院という場所にいき、僕の日常から姿をけしてしまったときの心細さはいまでもはっきり覚えてる。
また、亡くなった祖父もこの病院で息を引き取った。
そのためか僕はなんとなくこの病院にいると陰鬱な気持ちになる。
祖母を訪ね、移動。エレベーターが嫌いなので階段をとぼとぼ歩く、ばあちゃんの病室に行くも、いない。
ナースセンターにいききくと、今日手術だったので今日一日は別室の個室で過ごすそうだ。
保母の部屋で、目が合ったとき僕は身も心も萎縮してしまってとっさに言葉が出なかった。
でも話をしていると、思いのほか元気そうだった。
手術も無事に終わってちょうど僕の訪れたころ麻酔が切れてきたようだ。
転倒した際にうった腕が随分と痛々しく黒ずんでいた。
祖母は僕に転んで骨折したときの状況を話し始めた。話が終わり、入院に関していくつか会話をかわした、
明日には車椅子に乗り、食事も取れるそうだ。(今日は食事は取れないらし)そして、
「今日はもう帰るといい」「また来い」
と2・3度言った、ひとしきり話もしたし、顔も見れて安心した僕は病室を後にした。
本当、早い回復を切に願うのみである。