暗黒童話の感想 | ワビとサビ

暗黒童話の感想

少し前の話、約束があってその場所に時間より早く着いた。


近くに本屋さんがあったので時間つぶしながら覗いてみた。お目当ては安岡章太郎の「海辺の光景」


残念ながらその本はありませんでしたが、手ぶらもなんなので乙一氏の暗黒童話を購入。


乙一氏の短編小説はかなりうならされるものが多い。今までは短編しか読んでなかったので長編を読みたい。そう思っていたのだ。


読み終えての感想は正直、期待しすぎてたかな??


そんな感じ。登場人物も乙一小説によく出てくる、強い劣等感をもち周囲に上手く溶け込めない、また通常ではありえない特殊な力を持つ人物、などが登場しました。僕自身それらのキャラは彼の小説にはかなり出てきますし、どれもそこそこ「個」を確立できていると思います。その点この暗黒童話はそれが少し弱い。


それとストーリーにも素直に入り込めない部分があった。具体的に言うと、記憶をなくした人間が以前通っていた学校に通いその中でうまく対応できない姿がかかれてますが、これは少し無理な話の展開だと思います。

他にもいろいろあるけど別に評論したいわけではなく、自分が気に入らなかった点を具体的に書いてみただけですし、これはもちろん僕の独断と偏見です。


乙一作品には素晴らしい短編がたくさんあります。個人的に好きな短編は、「ZOO]「陽だまりの詩」「夏と花火と私の死体」等です。それらは自分もこれは!と薦められますので興味があれば是非。