諸刃の剣 | ワビとサビ

諸刃の剣

僕はいつからだろうか、かっとなって他人に掴みかかるような気性の荒さではないにせよ攻撃性というものを極力排除しようと務めてきた。その甲斐あってか明らかにもっと怒ればいい、相手に非があることであっても事を荒立てず寛容に済ます。ことに対して仕方がないねぇ、と苦笑いして済ませられる一面がある。これは素晴らしいと思う。


反面、このところ本を読んでも音楽を聞いても映画を見ても感動することが多い。胸の中が震え涙が出そうになるのだ、とにかく感動してばかりいる。いいことだと思うけどたまに自分を感動しすぎな気になって自分が少し怖い。感情をある程度コントロールできる反面時折決壊したダムから水がとめどなくながれるように気持ちが高ぶる。


自分という諸刃の剣の片側は鋭さを失いもう片側はより、鋭利になっていく。そのギャップが少し不安。こういう気持ちみんな思うのかな?と自問自答してみたりした。

戸籍上の年齢は27歳だけれど僕の中には恐ろしく純粋な少年がいるし、すでに磨り減ってくたびれた老人もいる。なんだか自分がばらばらになりそうな気がしてたまに怖い。