母へ電話


再発が分かって、すぐに母に電話した。

「もう手術はできないんだ」

この一言で、状況を察してくれた。
そして、すぐに実家に行く約束をした。

実家へ


電話した翌日に、実家に行った。

コロナもあったから、数年ぶりだった。


他愛もない世間話をしていたけど、

状況を改めて伝えた。


数ヶ月でどうこうというわけじゃないけど、

数年単位では厳しいかもしれないと。


親にがんのことを隠す発想はなかった。




子供の頃の話と今の気持ち


さらっと書くけれど、
私の生育環境は
あまりいいものではなかった。

その影響もあり、
私の反抗期は凄まじかった。
親になった今は申し訳なく思ってる。


そんな想いから、
「育てにくかったでしょ。ごめんね」
と伝えた。


「産んでくれてありがとう」とも。



母親、号泣。



『あんたにそんなこと

 言われると思わなかった。

 ずっと恨まれてるんだと思ってた。』

と。



それをみて、私も号泣。


長年のわだかまりがとけたようだった。



お別れ


帰り際に、母にハグをして
「ごめんね」
と伝えた。

『何も謝ることじゃない』
と言ってくれた。

その状態で、しばらく二人で泣いていた。


子供の立場で、
母にぎゅっとしてもらうなんて
何十年ぶりだろう。


本当のお別れのときは、一緒に泣けない。
事前にこういう時間が持てたことに感謝。