本当は引っ越したくない人 | まいすとれーじ

まいすとれーじ

資料置き場

今日も淡々と認知行動療法を続けております、かずです。

もう日課になってますから、呼吸と同じように自然にやっております。


で、常に思考の歪みをチェックして生きていると、当然他人の思考の歪みも気になるわけですが。

私は普段、車に乗る時に日常的にラジオを聴くので、ラジオからネタを拾うことが多いのですが、今日拾ったネタはこれ。

 
「引っ越したいのですが、荷物が多すぎて全然片付かなくて、一向に引っ越しが出来ないんです。」という人。

とあるラジオの質問コーナーで、もう2年くらい引っ越したいと思っているのだけど、一向に行動に移せない女性からの相談だったんですね。


これを聞いた時に、この人も罠にハマってるなぁと思いました。

 
基本的に顕在意識で考えてることと、潜在意識で思ってることは逆なんです。

つまりこの方、本当は引っ越したくないんですよね。


潜在意識では、「引っ越したくない」「今の場所から動きたくない」が本音だから、脳がわざと片付かないようにしてるだけなんです。

なぜ真逆のことを思ってるんでしょうね。


なぜこんなにも表と裏がズレてしまうのでしょう。

そこを深く考え続けるのが、自分と向き合うという事です。


やろうと思ってるけど出来ない。

これはだいたいその裏に「本当はそれをやりたくない」という強い気持ちがあります。

 
そこを自分で問いかけるわけです。

「何のためにそれをやりたくないのか?」と。


一日に最低1000回は問いかけます。

するとそのうち、答えが出てきます。


上記の人だったら、「何のために私は引っ越しをしたくないのか?」とずっと問い続けます。

そうすると、引っ越しをしたくない本当の理由が出てくるので、そこに気付けば「引っ越したいのですが、荷物が多すぎて全然片付かなくて、一向に引っ越しが出来ないんです。」という表面上の問題はダミーだったことがわかります。


脳はなぜこんなに面倒なことをやっているのかというと、大半は自分を守るためです。

その裏に守りたい何か、変えたくない何かがあるんです。


もっと言えば表面上の問題は引っ越しのように見えて、実はその裏にもっと重大な別の問題が隠れていることもあります。(というか、だいたいそうです。笑)


普通に考えてくださいね。

引っ越しなんて、本来は一日あれば終わるものです。


お金を払って業者さんに頼めば、梱包から運搬まで全部やってくれて、あっという間に終わらせてくれるんですよ。

それをなぜ、わざわざ自分でちょっとずつ片付ける(というフリをして時間稼ぎをしている)んでしょうね。


意外とこういう所から、幼少期の過去の記憶が出てくることもあるので、こういう問いかけはお宝を探すつもりでやると本当に面白いですよ。

先延ばしにしていることは、だいたいその裏に何かありますから、認知の歪みを取るチャンスです。


結局、引っ越したいと口では言っていながら、実際には言い訳ばかりして全然引っ越さないというのは、その言行不一致をやることで自分を正当化、もしくは自分の中の何かを守るという盛大な茶番を一人でやっているわけです。

そしてこれが茶番であると自分で気付いた時に、初めて人生が変わるわけです。


その人の本音は、言葉ではなく行動に出ます。

・引っ越したい(言葉)

・引っ越し作業を実際に進めることが出来ない(行動)


この場合、この人の本当の願いは、行動の方、つまり引っ越したくないが本音なので、この先もあれこれ言い訳をして、なかなか引っ越さないはずです。


じゃなければ、引っ越しなんて普通は一日で終わっています。

どれだけ荷物が多くても、引っ越し業者さんなら、あっという間に片付けてくれますから。

 
自分にこういう嘘ばかりついていると、どんどん認知が歪んで、歳を取れば取るほど直すのが難しくなります。

認知行動療法の基本は、まずは言葉と行動を一致させることから!!


ということで、今日見つけた事例をお話してみました~。