コピーライティングという名の支配 | まいすとれーじ

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私は「ネットビジネス」と呼ばれる業界に、かれこれ19年くらい身を置いているのですが、その中でふと思い出した話を今日は書いてみたいと思います。

 

 

もう随分前の話ですが、ある起業家さんが、「セールスレターのコピーライティングは、基本的に他人を支配したいと思う精神異常者(メンヘラ)が書いている。

そして、人を精神的に支配したがるメンヘラの言葉に反応が集まる意味は、それだけ他人から支配されたい人たちが多い証拠。

詰まるところ、コピーライティングというのは、支配したい人と支配されたい人が結ばれている極めて気持ち悪い共依存の関係であり、コピーライティングを生業としている人とは関わってはいけない。」

と話してくれたことがあり、心底ゾッとしてしまったのです。


確かに、セールスレターを読んでそれに感銘を受けて、商品を買っている人たちって、その後もれなく信者化して、商品を販売している人も教祖化して、第三者から見ると、とても気持ち悪い関係に見えます。

見えますが・・・驚きあせる


私はこの話を聞くまで、そんなことは意識すらしたことがなかったのです。

というのも、私は元々セールスレターの類が本当に苦手で、あの縦長のページを読むことすら苦痛だからです。


特にネットビジネス系のセールスレターは、ページを開いて30秒で吐き気がします(笑)

直感的に気持ち悪いというか、受け付けないというか。
 

わかりやすく拒絶反応を起こします。



そして、その某起業家さんは、セールスレターを書くことが得意な人は、人を支配することに快感を覚えるタイプの人間だから、

 

近づく時は本当に注意した方がいいと言っていたのですが、冷静に考えてみると、確かにそうかもなぁと思うのです。


テクニックをふんだんに使い、自分が書いた言葉通りに人が動くことに快感を覚える。

確かにまともな人間なら、近づきたくない世界ではあります(笑)


で、問題はここからです。

 

この一連の話を聞いていて、気付くわけです。

一般的にセールスレターと呼ばれるWEBページには、「支配」と「洗脳」がふんだんに盛り込まれています。


そうです。

投影です。

 

私は、子供の頃に親から支配されて育っているので、支配を連想させるものにとても敏感です。

 

この世で一番嫌いな言葉が「守破離」ですが、問答無用で従えという世界観に、胃の内容物が全部出そうなほど、体の全神経が抵抗するのです。

 

 

なんと、私はセールスレターにまで、お母さんを重ね合わせていたのかと気付いて、愕然としました。

 

文章で説得されることに、強い「支配」を感じるのです。

 

そしてその時に感じる感情が、幼少期のお母さんからの命令と無意識に重なっていたのです。

 

だから、ページを開くことすら嫌だった。

 

 

人間の潜在的な抵抗とは、本当に凄いものです。

 

私にこの話を伝えてくれた某起業家さんも、昔はコピーライティングのスキルで情報商材を売って、億を超える売り上げを作っていた人です。

 

 

でも、ネットビジネスの業界は、圧倒的な知識や文章力や話術があって凄い人はたくさんいるけれど、人間として純粋に尊敬できる人はほとんどいない。

 

だから業界を離れたと言っていて、その気持ちはなんとなくわかるなぁと思いました。

 

 

確かに、インフォ業界って本当に人としてちゃんとしている人が、とても少ないのです。

 

 

だからこそ異常値で突き抜けている面白い人が多いのですが、私は面白さよりも人として真っ当であるかどうかを、最近は人を見る基準にしているので、

 

もし自分に子供がいたとしたら、「その人の背中を自分の子供に堂々と見せられるか」を基準に考えると、なかなか自信を持って見せられる人はいないなぁと思うのです。(もちろん私自身も含めて。笑)

 

 

それに、私も一時期コピーライティングを学んでいたことがあり、文章を書く側にいたことがあるのですが、

 

これが本当に苦痛で、ライターとしてデビューする前に心が折れてしまい、早々に辞めてしまいました。

 

 

その時に思っていたこと。

 

「これ、自分のお母さんとやってること同じじゃん。」

コピーライティングの中にある、支配したい人と支配されたい人の関係性が見えた時に、自分の中の何かが激しく抵抗したのだと思います。

 

 

よく、DV家庭で育った子供が結婚して親になると、自分もDVの加害者になってしまうという話を聞きますが、あれと同じです。

 

支配されて育った子供は、他人を無意識に支配してしまう。

 

本人に自覚がないから、本当に怖いのです。

 

 

文章を使って他人を支配する。

 

こんなに恐ろしい世界はありません。

 

 

最後に、私がとても好きな文章があります。

海の精という会社の村上さんが書いた文章です。

 

日本人には塩が足りない
 

別に塩を紹介したいわけではないので、海の精はどうでもいいです(笑)

 

玄米菜食もどうでもいいです(笑)

 

 

私は、この村上さんの文章の書き方が好きなのです。

 

この方の人間性がよくわかるとても優しい文章です。

 

自分と向き合うということを繰り返して、自分の中の歪みが少しずつ取れていくと、より純粋で美しく真っ当なものに惹かれるようになります。

 

 

意図的に人を操ったり誘導したり、様々なテクニックを使ったりする必要もなくなるからです。

 

 

もちろん世の中には、コピーライティングを生業として、その道で真っ当に生きている人もたくさんいます。

 

商品を買ってもらうために、その商品について文章で魅力的に伝える。

 

この仕事自体は素晴らしいものです。

 

 

ただ、非常に騙されやすく誘惑も多い世界なので、変なものを掴んでしまわないように、

 

自分自身の思考を常に中庸にチューニングして、意識をクリアにしておくことが何よりも大事なのだと思っています。