月と狩りの女神アルテミスの侍女の中に、カリストという美しい精霊がいました。大神ゼウスの愛を受け、息子を産み落としましたが、処女神アルテミスは激怒しました。カリストは泣いて許しを請いましたが許されず、大きな醜い熊の姿に変えられて一人寂しく森で暮らすことになりました。

 

やがて月日がたち、狩人として成長した息子アルカスは、ある日、森で一匹の大きなクマに出くわしました。すぐにわが子と気づき、喜びのあまり駆け寄ろうとするカリスト。

 

しかし息子のほうはそれが母だと知る由なく、向かってくる熊の心臓に狙いを定めて矢をつがえました。それを天から見ていたゼウスは二人を不憫に思い、つむじ風を起こして母と子を天に巻き上げ、息子を小熊に変えると、ともに星座として北の空に仲良く並べたということです。