神々の宴で神酒ネクタルを注ぐ役目を果たす者を探していた大神ゼウスは、
あるときトロイアの美しい王子ガニュメデスに目をとめました。
彼をたいそう気に入ったゼウスは、さっそく黒鷲の姿に変身し、
地上に舞い降りるとその爪でガニュメデスを掴みとり、
瞬く間に天上へと連れ去りました。酌の役割を果たさせる代わりに、
人間であるガニュメデスには永遠の若さと命が与えられたといいます。
そして王子の父であるトロイア王には伝令の神ヘルメスを遣わし、
王子を奪った代償として風のように早く走る神の馬を授けました。
ゼウスは鷲となった自らの姿をわし座に、
ガニュメデスをみずがめ座として天に飾りました。