藤原洋のコラム -14ページ目

■■11月22日/24日 BBTower Business Exchange Meeting 2021 ONLINE■■

テーマ:「DXセンター」への進化~Beyond 5G時代の未来型データセンターへ~

 

 当社では、毎年11月に、当社顧客企業とパートナー企業向けのシンポジウムを開催しておりますが、今年もコロナ禍の中での開催となったために、昨年に続いてオンライン形式で開催しました。特に今年は、新たな試みとして、2時間/日として2日間にわたる開催となりました。

 当社は、「DataセンターカンパニーからDXセンターカンパニーへ」というビジネスモデル転換を進めており、今回は、「DX」を取り上げ、初日の22日は、「地域DX」について、2日目の24日は、「デジタル庁をはじめとする中央DX」について、特別講演、基調講演、パネルディスカッションで構成しました。

 外部からは、渡辺克也氏(一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟理事長、元総務審議官)、青木孝文氏(東北大学理事・副学長)、江崎浩氏(デジタル庁チーフアーキテクト、東京大学教授)、中村伊知哉氏(iU学長)、北俊一氏(株式会社野村総合研究所パートナー)、村上圭子氏(NHK放送文化研究所研究主幹)、関口和一氏(MM総研代表取締役所長、元日経新聞論説委員)をお招きし、当社の幹部も議論に参加しました。

 

●11/22(月)のプログラムとその概要

 地域DXの課題とその実現に向けて当社グループは、何をするのか?というテーマで議論を進めました。

 

〇開会挨拶 株式会社ブロードバンドタワー代表取締役会長兼社長CEO 藤原 洋

 コロナ禍の中で、今年もオンライン開催ということで開催させていただきますが、今回はコロナの影響で加速するDXを地域からのボトムアップ視点と、中央からのトップダウン視点で、外部から当分野のトップの専門家の方々をお招きし、社会課題を明確にした上で、当社グループの果たす役割について皆様と共に考えていきたいと思います。視聴される皆様にとって、有意義な2日間になることを祈念しております。

 

〇特別講演「2030ケーブルビジョン~CATVから地域DXの担い手へ~」

一般社団法人 日本ケーブルテレビ連盟 理事長 渡辺 克也 様

 2030へ向けて、ケーブルテレビ業界は、「CATVから地域DXへ」をキーワードとしている。そのため、「社会」「生活」「テクノロジー」が変わることへの対応について、業界として「放送」「コンテンツ」「ネットワーク」「ワイヤレス」「ID」「サービス・ビジネス」が、変わるという視点で具体策について述べられました。そして、これら6分野において、適切な施策を講ずることで、1.3兆円市場を1.7兆円市場へと拡大できる可能性があると強調されました。

 

〇Keynote1「DX3.0~デジタル時代における社会価値の創造~」株式会社野村総合研究所 コンサルティング事業本部 パートナー 北 俊一 様
 DXには、段階があり、DX1.0は効率化と生産性向上、DX2.0はビジネスモデルの変革と新たなビジネスの創造、DX3.0は社会課題の解決にあるとされ、世界幸福度ランキングで日本は56位に留まっていることに着目すべきと述べられました。「幸福度」を高めるには、精神的な豊かさを高める必要があり、NRIの試算では、所得よりDCI(Digital Capability Index:社会におけるデジタル化)と生活満足度との相関が高くなっていることを強調されました。
 

〇Keynote2「地域メディアの役割をどうアップデートしていくか?」
NHK放送文化研究所 メディア研究部 研究主幹 村上 圭子 様
 これまでの地域メディアの役割は、全国で共有すべき情報・コンテンツを、地域差なく全国に届けること等であったが、これからは、例えば、次の3つの役割を果たすことにあると述べられました。地域の誇りの維持・向上のためのコンテンツ・サービス、全国で共有すべき地域情報、地域の魅力あるコンテンツや産品の全国へ向けての発信、地域のハブ・プロデューサー・デザイナーになること。そのためには、既存の役割のアップデートなどが必要であると述べられました。

 

〇15:10-15:55 パネルディスカッション
「BBTowerグループ全体で取り組むDX推進」というテーマで以下のメンバーによるパネルディスカッションを行いました。
パネリスト:
日本ケーブルテレビ連盟 渡辺 克也 様、野村総合研究所 北 俊一 様、日本放送協会 村上 圭子 様、ブロードバンドタワー 樋山 洋介、ジャパンケーブルキャスト 大熊 茂隆、モデレーター:藤原 洋

〇 閉会挨拶 株式会社ブロードバンドタワー 取締役執行役員 樋山 洋介
 

●11/24(水)のプログラムとその概要
 中央からのDXの課題とその実現に向けて当社グループは、何をするのか?というテーマで議論を進めました。
 

〇開会挨拶・Keynote1 「BBTowerグループのDX戦略『DXセンター』への取り組み」
株式会社ブロードバンドタワー 代表取締役会長兼社長CEO 藤原 洋
 2021年9月のデジタル庁発足による中央官庁のDXの推進が決定され2025年には、行政のDXが完結する予定であり、これに見合った民間としてのDX戦略が必要であることを述べました。ブロードバンドタワーグループでは、グループ一体となって、DataセンターカンパニーからDXセンターカンパニーへの転換を図ることを宣言しました。具体的には、現在、東京と大阪を中心としたデータセンターを単なるオンプレミス型のデータセンターだけではなく、大規模化と地域分散化を図り、DX拠点として、ハイブリッドクラウド・コンピューティングとエッジコンピューティング拠点の構築を段階的に進めるという戦略についてお話させて頂きました。また、その後に、デジタル庁プロジェクトマネージャーに就任した、当社執行役員Cloud & SDN研究所長 西野大より、デジタル庁について意見交換させて頂きました。
 

〇Keynote2「デジタル化からオンラインファーストへ」
デジタル庁チーフアーキテクト、東京大学大学院情報理工学系研究科 教授 江崎 浩 様
 これまでのアナログ情報のデジタル化で留まるのではなく、ディジタル・ネイティブ(Digital Native)な情報、すなわちオブジェクト指向の情報が重要であるとし、垂直統合型モデル(閉域システム)ではなく、⽔平統合型モデル(連携・協調プラットフォーム)へ進化させることが重要だと述べられました。Internet of Things (IoT)からInternet of Functions (IoF)への進化が必要であるとしCPS(Cyber Physical System)からCyber & On-line Firstが重要だと強調されました。デジタル庁については、ミッションは、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化であり、ビジョンは、Government as a Serviceであり、Government as a Startupであると述べられました。そしてその実現には、オンライン性、相互接続性・相互運用性、グローバル性、構造化データ、ユニークID、ハードウェアとソフトウェアのアンバンドル、ゼロ・トラスト、エンドユーザによる利用経験・体験、オープン・ソース、災害対応性(オンプレとクラウドの連携、分散クラウド)の10項目が重要だと指摘されました。
 

〇 Keynote3「変革のプラットフォームとしての大学~東北大学のDX、仙台市×東北大学スーパーシティ」 
東北大学理事・副学長 青木 孝文 様
 出発点として、震災から10年、今なぜ仙台が熱いのかについて触れられ、社会と科学の接点が拡大し共創が加速し新段階へ入ったと指摘されました。仙台の強みは社会起業家の層の厚さにあり、「仙台市×東北大学スーパーシティ構想」の提案へ至ったと述べられました。次に、東北大学コネクテッドユニバーシティ戦略として、教育・研究・社会共創・大学経営の全方位でDXを加速的に推進している具体例を示されました。一例として、サイエンスパーク型研究開発拠点整備、すなわち、SPring-8やX線レーザー施設SACLAで開発された最新の加速器技術を用いた、SPring-8の100倍の輝度を実現する次世代放射光源設置計画について述べられました。また他の例として、東北メディカル・メガバンク計画について紹介されました。
 

〇Keynote4「デジタル庁 から 超デジタルへ」 
iU(情報経営イノベーション専門職大学)学長 中村 伊知哉 様
 情報通信分野の行政官、大学教授での活動経験から、デジタル時代が始まって四半世紀、ようやくデジタルが国のトッププライオリティとなったが、私たちデジタル屋の悲願であったとし、時間がかかり過ぎたのは、デジタル屋に力がなかったからだと述べられました。コロナは、結果的に、抑えられているが、明らかになったのは、日本のデジタル敗戦で、オンラインでできる国の手続きは7.5%しかなく、オンライン授業は5%しかできず、また、企業でも在宅勤務が可能な人の割合は、日本は主要国で最低水準だと指摘されました。また、OECD35カ国中、日本の平均賃金は24位で、平均より1万ドル低いのが現状で、30年前はアメリカに次いで2位だったがずっと横ばいだったと指摘されました。その原因は、医療教育行政と経営というのは、昭和の勝ち組であったことで、世界に冠たる日本の医療、世界に誇る日本の経営という、成功体験が、デジタルで根こそぎ変わることを拒んだとみると述べられました。システム障害が相次いだ金融機関の社長辞任ということが起こったが、金融は元来、情報事業・データ事業であり、AIとシステムさえあれば店舗も人も要らなくなることは20年前には見えていたのに、システムが経営の真ん中にいないという問題を指摘されました。デジタル化とDXは違うがデジタル化さえできていないというのが現状で、そこへ来たコロナで失ったものもあれば、得たものもあり、行政も民間もデジタル庁創設を契機に代わる必要があると述べられました。

〇パネルディスカッション
「デジタル庁の発足とBBTowerが果たすべき役割」として、以下のパネリストのメンバーで議論を展開しました。
パネリスト:デジタル庁/東京大学 江崎 浩 様、東北大学 青木 孝文 様/iU 中村 伊知哉 様/ブロードバンドタワー 樺澤 宏紀、モデレーター:株式会社MM総研代表取締役所長 関口 和一 様

〇閉会挨拶
株式会社ブロードバンドタワー 取締役執行役員 樋山 洋介

●まとめ
 2021年はデジタル庁発足という歴史的なDX元年ともいえる年となりました。当社グループにとって、11月の恒例となったBBEMですが、今年は、6人の外部からの有識者の方々を招聘し、有意義な議論ができたと思っております。以上にご紹介した議論の内容をしっかりと受け止め、当社グループは、DX時代における先導的な企業グループへと発展・成長させる使命感を強く持った次第であります。今後とも皆様のご指導・ご協力をお願いして、今月の社長コラムを終わらせて頂きます。

 

2021年11月30日
代表取締役会長兼社長CEO
藤原 洋